子どもの療育をやっていたおかげで二日酔いの朝にラクができたというお話
平安時代末期の仏教説話みたいなタイトルですが、そんな感じの内容です。
夏に家族全員がコロナにかかり、息子の身辺自立のレベルが上がったという話を前に書きました。
春には妻が手術のため入院し、会社を休んで1週間まるまる息子と2人で生活したこともありました。日常生活が変化することでパニックになるかもしれないと覚悟していましたが、この時も全く問題なく過ごすことができました。
学習面での伸びはよく分かりませんが、運動や身辺自立の面ではものすごく成長が実感できた1年でした。
妻によると、学校から帰ってきてから一人で家事を全部こなして一人で眠りについたこともあったそうです。
この日はぼくが夜勤で家におらず、妻はパートの仕事で大きな失敗をしてひどく落ち込んでいて、家に帰るなり「もうママは何もしたくない。寝る!」と息子に言い放って、キッチンの長椅子で横になったのだそうです。
すると息子は、冷蔵庫から料理を出してきて、妻の分のご飯もよそい、一人で食べ終えて食器洗いをし、一人でお風呂に入って、パジャマに着替え、歯磨きをして、「寝る〜!」と言い残して寝室に向かったとのこと。
この間、妻はずーっと横になったまま動かず、息子の様子を眺めていたそうです。
家族全員でコロナにかかった時の体験が生きたのもあるでしょうし、何よりも、妻が一つ一つの家事をABA(応用行動分析)に基づく療育で根気強く教えていたことが実を結んだ形といえるでしょう。
これだけですと「美談」で終わってしまいますが、続きがあります。
先日、夜勤明けで昼前に起きると、妻がキッチンの長椅子で寝ていました。
前の晩に実家で飲み過ぎて二日酔いだったそうです。
ぼくが夜勤のとき、妻は息子を連れて実家に遊びに行くことがあります。
実家には義父のウイスキーのコレクションがあって、「封が切ってあるボトルは自由に飲んでいい」と言われているそうで、行くと息子と遊びながら飲むのが習慣になっています。
船の絵が書いてある安そうなウイスキーを炭酸割りでガブガブ飲んだ。良くないね〜
カティサークだね。そんなに高くはないけど、うちにあるブラックニッカよりは高級だから、味わって飲めばよかったのに
息子が朝起きてきたのですが、キッチンの長椅子で寝そべっているママを見て、「こりゃダメだ」と思ったのでしょう、冷蔵庫からおかずを出してきて、味噌汁を温めてお椀に入れ、ママの分もご飯をよそい、一人で食べ終えると、歯磨きをして学校に行く支度を整えたそうです。
で、息子とこんなやり取りがあったそうです。
ママご飯を食べるー!
ママは病気だから食べられなーい
病気でもご飯を食べるー!
立派なものです。
ぼくは息子と一緒にいる時間が妻より短いこともあって、息子に対してどうしても過干渉(過保護)になってしまう傾向があります。
妻は昔、セラピストの先生から「子どもを成長させるには、少し意地悪で、少し気がきかない親になるといい」というアドバイスを受けたと言っていましたが、そういう観点からみれば、二日酔いで横になって何もしないというのも、息子の成長には役立っているのかもしれません。
しかし、二日酔いのことを「病気」と呼ぶのは今後避けた方がいいです。息子が学校で先生に「ママ病気で寝ている」と言う恐れもあるわけなので。
息子に「二日酔い」の概念を教える必要がありそうです。
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