お子さんのDQ(発達指数)が低いからといって落ち込む必要は全くないです

息子が4年ぶりに心理検査を受けたという話の続きとして、DQ(Developmental Quotient=発達指数)について書こうと思い立って「DQ」とGoogle検索したのですが、ドラゴンクエストのことばかり出てきました。ドラゴンクエストにDQという略称があるなんて知りませんでした。

 「DQ 発達指数」と検索し直してみると、今度は論文形式のPDFファイルがいくつも引っかかります。これはこれで、学問的には正確なのでしょうけど、専門職の方や研究者以外には読みにくい文章です。
 一文字足して「DQN」と入れて検索すると全然違うものが出てきますが、これはまあ余談ですのでどうでもいいことです。

 というわけでして、DQに関して調べようと思っても、ちょうどいいサイトになかなかたどり着けないことが分かりました。Google先生に何らかの対応を求めたいところです。

 そんな環境の中で、DQについての説明が一番丁寧でかつ分かりやすいと思ったのは、「LITALICO(りたりこ)発達ナビ」というサイトでした。一部を引用します。

(略)…発達検査で分かる「発達年齢(発達の状態がどのくらいの年齢に相当するか)」を「生活年齢(実年齢)」で割り、100を掛けて算出します。
 発達年齢と実際の年齢が同じ場合、発達指数の値は100と計算できます。そのため平均は100前後とされています…(略)

「LITALICO発達ナビ」より

 これでも「分かったようで分からない」と感じる方がおられるかもしれません。ぼくがさらに丁寧な説明を試みてみます。

 まず、お子さんが4歳の時に、心理検査で出た発達年齢が同じ4歳だとしたら、「発達指数(DQ)」は100になります。
  DQが100より大きければ「平均的な4歳児より発達が進んでいる」、100より小さければ「平均的な4歳児より発達が遅れている」ことをそれぞれ意味しています。

 以下に例を挙げます。

検査した時にお子さんが4歳、検査で出た「発達年齢」が2歳だった場合、
 DQは、(2歳/4歳)×100=50

検査した時にお子さんが5歳、検査で出た「発達年齢」が3歳だった場合、
 DQは、(3歳/5歳)×100=60

お子さんが5歳の時に検査を受けて「DQは30です」と言われた場合、
 発達年齢は、5歳×(30/100)=1.5歳

お子さんが6歳の時に検査を受けて「DQは50です」と言われた場合、
 発達年齢は、6歳×(50/100)=3歳

 この具体例が分かりやすいかどうかはイマイチ自信がありませんが、数字を挙げた方がイメージしやすいのではと考え、例示してみました。

 発達指数(DQ)は、療育手帳を取得する際の判定にも用いられます。障害がある子どもの「発達の程度」を(一定程度の妥当性がある)数値で示すことで、行政はその子どもを「より公平に」扱うことができるようになりますし、医療機関もその子どもを「より適切に」扱うことができるようになります。

 でもこの検査、自閉症児の親としては、

障害があるんだから発達が遅れていることぐらい分かってるわ。4歳のわが子の「発達年齢」が2歳、「発達指数(DQ)」が50と伝えられて、親はどうしろっての? なんなの? 嫌がらせ?

って気持ちにもなりますよね。ぼくもそうでした。

 とはいえ、検査機関から知らされたDQや発達年齢がずっと頭から離れず、公園で遊ぶ健常児のお子さんを眺めながら「うちの子の成長レベルは、こんな小さい子と一緒なのか」と悲しむことには、あまり意味はないと思うんです。

 そこで、自閉症児の保護者が発達指数(DQ)をどう受け止めればいいのか、自閉症児の親なりに考えてみました。至った結論はこちらです。

①1回目の調査結果は、保護者にとってあまり意味がない
②DQの数値が子どもの成長に伴って下がるのは「当たり前」と認識する
③分野別の「発達年齢」を前回調査と比較して、療育に役立てる

 ①は、「障害児の保護者にとって、健常児との比較はあまり意味はない」ということです。
 初めて検査を受けた時に「あなたのお子さんは4歳ですが、DQが50ですので、発達レベルは健常児の2歳ぐらいです」と言われても、「はぁ? で、どうしろと?」としか受け止めようがないでしょう。過度に落ち込む必要はないと思います。

 健常児と比べて遅れているのは当然のことでして、大事なのは、その子なりのペースで「これまでにどう成長してきたのか」「これからどう成長していくのか」なんです。

 ②を認識することは非常に重要です。DQは「同じ年齢の子どもと比べて成長が早いか遅いか」を示す指数ですので、検査する時の年齢が上がれば上がるほど、「低く出る=同じ年齢の子どもとの成長のスピードの差がより大きくなる」のは当たり前なのです。

 障害児の保護者としては、毎回検査で同い年の子と比べられても切ないだけですし、そうすることにあまり意味を感じられないとも思います。そりゃそうです。

 大事なのは③です。心理検査で出たデータを「同じ年の子(健常児)」と比べるのではなく、「過去の自分の子」と分野別に比べればいいのです。

 例えば、わが息子がこれまで受けてきた検査の結果が記された紙には「運動」「探索操作」「社会」「生活習慣」「理解言語」と5つの項目があり、それぞれにDQが記されております。
 お子さんが受けた心理検査の種類によって項目が微妙に違うのかもしれませんが、こんなふうに分野別の数字は出ていると思います。

 4年前の息子の検査結果を例に挙げますと、「運動」にほぼ遅れはないけれど、「探索操作」「社会」「生活習慣」がけっこう遅れていて、「理解言語」は特に遅れているーという傾向が出ておりました。
 裏を返せば、息子の場合、「理解言語」の分野が伸びれば、DQと発達年齢が一気に高くなるはずだと分かります。

 皆さんも検査を受けると、お子さんのこうした傾向を知ることができます。で、2回目以降に検査を受けた際は、分野別に過去の結果と比較していけば、お子さんがどの分野で大きく伸びて、どの分野では伸びが少なかったか–を把握できるのです。

 ちなみに、単純にDQを比較するのはあまり意味がありません。DQから「発達年齢」を割り出して比較した方がいいと思います。

 具体例を挙げます。4歳と8歳の時に心理検査を受け、それぞれこんな結果だったとします。

心理検査のデータをDQで比較したエクセル表の画像

 DQで比較すると、「全体のDQ」「運動のDQ」「理解言語のDQ」のすべてが4歳の時より低下しています。
 このお子さんは4年間で成長しなかったのでしょうか? 決してそうではありません。

 では今度は、このDQから「発達年齢」を計算して、同じような表にしてみます。

心理検査のデータを発達年齢で比較したエクセル表の画像

 こうなります。発達年齢で比べれば、どのぐらいのペースでお子さんが成長しているかが分かるのです。

 分野別の成長のペースが分かれば、家庭での療育に生かすことができますし、学校の先生などに「うちの子はこの分野が苦手なのでフォローをお願いします」と伝えやすくなるのではないでしょうか。

 検査で出てくる数字に一喜一憂するだけでなく、その数字をプラス思考でどう生かしていくかが大切だと思います。

 皆さんが日々お子さんに対して行なっている療育、カリキュラムに沿った家庭療育をしていなくたって、日々家庭で教えていること、学校などで教わっていることを吸収し、お子さんは成長しているはずです。成長のスピードに差があるだけなのです。

 わが息子は、一緒に外出すると「走るのがものすごく早いなぁ」と感心することが多いのですが、運動会の短距離走になると、キョロキョロ周りを見回したりニヤニヤしたりで、走るのがとても遅くなります。「運動会の時は力一杯走って、一緒に走るお友達と順番を競い合う」ということが理解できていないんです。
 心理検査を受けている時も、「自分のできることをフルにやって、先生(検査している人)になるべく良いところを見せよう」という発想はほぼないはずです。
 心理検査の担当者に対して、「プロなんだから、子どもがどんな状態であろうとも、やる気と能力を最大限引き出して検査する手腕があるのは当たり前でしょ」と考える保護者の方もおられるかもしれません。
 でもまあ、わが息子の様子をみるに、そういう要求や期待は酷だと分かりますし、検査で出る結果は「その時のお子さんのノリ」に左右される部分が一定程度あるはずですので、数字そのものをあまり気にされない方がいいと思います。

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