福祉のユーザーと行政とのすれちがい~なぜ社労士になろうと思ったのか⓪

 以前も書いたような気がしますが、社労士試験に向けた学習を始めた2年以上前からこのブログはほったらかしにしていました。その間は旧Twitterがオンライン上の主な居場所となり、息子の子育てのことなども、そちらに書いてきました。

 合格して少し時間に余裕ができてブログを再びいじり始め、リニューアルして「労働・社会保険、福祉」「資格・学習」と新たなカテゴリーも新設したため、それに合わせた記事も書こうと思います。これがその1本目です。

 このブログを以前からご覧になっていた方やわれわれ家族と面識のある方は「ずっと音信不通だったけど、急に社労士とか言ってきてどうした??」って感じでしょうし、旧Twitterの縁でこのブログに訪問された方ですと「あなたがなんで社労士界隈に入ってきたのか、分かるようで分からない」とも思われますので、ぼく自身の頭の整理も兼ねて、まとめてみます。

 息子に自閉症という障害名が付き、出先での仕事が終わって、今住んでいるまちに定住を始めたのが9年前、息子が3歳の頃です。

 引っ越しに伴って、市内の障害児向け保育園に息子を入れる手続きやらなにやらで、市役所の子ども・福祉系の窓口に顔を出す機会が多い時期でした。

 息子が障害児向け保育園に入ると、保護者間のつながりもできて、妻経由でいろんな話が入ってくるようになりました。

 そんな中で驚いたのが、「職員が不親切で冷たいので行きたくない」「必要な情報を教えてもらえなかった」という声をいくつか聞いたことです。

 ぼくは仕事の関係から行政手続きや行政職員とのやり取りには慣れており、親しい市の幹部職員がたまたまおられたこともあってか、スムーズにいろいろな手続きを進め、必要な情報を得ることができました。

 市役所の子ども・福祉系の窓口に対する印象は、決して悪くはありませんでした。

 もちろん、行政の窓口の職員には、仕事に対する使命感も意欲も感じられないひどい人もいます。逆に、窓口の職員に大声をあげて理不尽な罵倒を繰り返したり、特定の政党や議員の名を挙げて脅したりする市民もいるようです。

 ぼくが間接的に耳にしたケースはどうだったのか、行政窓口の方に問題があるのかどうかは分かりませんし、ジャッジする気もありません。

 ただ、福祉のユーザーである当事者(家族)と行政がかみ合わず、それによって本来受けることができるサービスが受けられず、得ることができる情報が得られないのは「不幸なことだ」という思いは強くしました。

 その後、療育手帳を取得し、息子が小学校(支援学級)に通うようになり、「ぼくと妻が死んだら、この子はどうなってしまうのだろうか」と考えるようになりました。障害児の親がみんな抱えている不安です。

 障害者福祉の制度についての本を読むうち、障害基礎年金の存在を知りました。

 公的年金については、息子が生まれるだいぶ前に、仕事上の必要に迫られて知識を得ようと本やネットで調べたことがありますが、まったく頭に入ってこず、知識が整理できないままほったらかしになっていました。

 社会保険労務士(社労士)が障害年金の申請代行を業の一つとして行っていることも、その時に初めて知りました。

ん? 障害当事者が生活するのに必要な年金の請求が、当事者(家族)が自力でできないほど面倒な手続きなのであったら、そもそも制度設計がおかしいんじゃないのか?

社労士ってなんだ? 頼むと結構カネ取られるのかなぁ…

息子の障害基礎年金の請求はまだまだ先だし、オレが社労士の資格取ってオレが申請すればいいんじゃね💡

 …ということで、社労士試験の勉強を始めることになりました。

 今思えば、蛮勇というか、かなり乱暴な展開でした。寿司が食べたくなったので、海で魚を獲るために船を作らなきゃいけなくて、山に木を切りに行こうと思ったけど、山に履いていくわらじがないので手元にあった稲わらを編み始めたーみたいな発想といえます。

 笑ってしまうぐらい、ほんとうに何も知らなかったのです(①に続く)。

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