特別支援学校は「まちなか」「郊外・辺地」のどちらにある方がいいのか、当事者・家族でも意見が割れるのでは

インクルーシブ教育をテーマとしたブログを読んだ感想をこれまで2回、書いてきました。

 非常に深いテーマですので今後も折に触れて取り上げることがあると思いますが、とりあえずはこの記事で区切りにします。

 インクルーシブ教育という崇高な理念を具現化する以前に、日本においては、障害者の「知的障がい者・精神障がい者のグループホーム、福祉施設」が「忌避施設」「迷惑施設」「嫌悪施設」扱いされているんですよーってことを書きました。

 そんな状況を障害児(者)の保護者はどう思うか、ってことをここで書こうと思います。

 言われっ放しじゃ不公平ですからね。こっち側にだって言いたいことはあります。

 特別支援学校は「まちなか」「郊外・辺地」のどちらにある方がいいのかについては、当事者家族でも意見が割れると思います。

 「どちらが望ましいか?」と問われても、答えることができません。

 支援学校は「郊外・辺地」に立地しているケースが多いでしょうから、「まちなか」の学校が増えて、当事者と家族が選べるようになればいいなとは思います。

 これが今考えつく一番妥当な回答でしょうか。

 われわれ家族が暮らす新潟県新発田市にある特別支援学校も郊外に立地しています。

 地図でだいたいの場所は知っていましたが、見学で初めて訪れる際、車の中で妻と「ああやっぱり、こんな感じの場所にあるんだね」と苦笑いした記憶があります。

 行政側の考えも分かります。

 一般的な小中学校と違って学区や市区町村を超えて通学する施設ですから、立地場所の選択肢は多いわけです。

 子どもたちが暮らす寮を併設するとなると一定程度の広さが必要になるわけで、土地が安い郊外・辺地の方が建設コストが安上がりになります。

 行政や施設設置者としては、建設予定地の近くに住む人が少なければ、その分だけ地元同意も得られやすいとも考えるでしょう。

 加えて、障害児の保護者にも、「支援学校は郊外・辺地にあった方がいい」とお考えになる方が一定数おられると考えられます。

 これはぼくが「障害者の親」になるまで分からなかったことですが、同居している義母や義父が「子どもに障害があることを知られたくないと思っている」というご家庭もあります。

 「知られたくない」という親族にとっては、支援学校が人里離れた場所にある方が「知人に見られなくて好都合」と考えるようです、悲しいことですが。

 確かに、「人口が少ない地域に立地した方が無難」だとは、ぼくも思います。

 「都市部の住民は世知辛い」「田舎の住民はおおらか」などということではなくて、単純に「人口密度が低ければその分、モンスタークレーマーに遭遇する確率も減る」ということからです。

 医療ジャーナリストの佐藤光展さんが「現代ビジネス」に書いた記事「地価が下がる、住民を守れ… 障害者施設に『差別をぶつける街』を歩く」の冒頭を引用します。

「地域住民の安全を守れ」
「子どもたちの安全を守れ」

庭付き一戸建ての家々が建ち並ぶ横浜市都筑区の住宅街。その一角に、こう書かれた黄色い幟旗が立ち並ぶようになって、もう1年以上になる。

この幟旗は、同地に建設された精神障害者向けグループホームに反対する住民が立てたものだ。障害者をまるで犯罪者か凶暴な獣でもあるかのように危険視する、「ヘイト幟旗」と言う他ない。

…心身の状態や境遇が異なる他者に対して、人間はどこまで不寛容になれるのだろうか。

現代ビジネス「地価が下がる、住民を守れ… 障害者施設に『差別をぶつける街』を歩く」より

 続きはぜひ、「現代ビジネス」でお読みください。非常に優れた記事です。

 記事の後半では、幟旗に書いてある文言は「障害者差別でなく一般論」と話す住民が登場し、反対運動を続けている住民団体は代表者もメンバー数も明らかにしていない「謎の集団」と化していることが暴かれています。

先進的な気風の大都市・横浜にありながら、遠い昔の息苦しいムラ社会のようだ。

現代ビジネス「地価が下がる、住民を守れ… 障害者施設に『差別をぶつける街』を歩く」より

 あえて主語を大きくしますが、これは横浜市に限った問題ではなく、不寛容や差別であふれている日本のネット空間こそが「遠い昔の息苦しいムラ社会」なのだと思います。

 そもそも、特別支援学校を『まちなか』に移転・建設できないような社会に、「真のインクルーシブ教育」実現は不可能でしょう。

 腕立て伏せや腹筋が1回もできない人にサッカーのスーパープレーができっこないのと一緒です。

 それに、社会の現状がインクルーシブからほど遠いのに、学校教育の場においてだけインクルーシブを唱えるのは、なんかおかしい気もします。

 「われわれ大人はしょーもない不寛容や差別であふれた意識が薄いダメ人間の集まりなので、将来ある皆さま方から社会を変えていただきたいとの願いから、インクルーシブ教育をさせていただきます」と言うぐらいに謙虚にならなければ、子どもたちは聞く耳も持たないのではないでしょうか。

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