マスクを焼いて醤油かけて朝食に出すと言ったら、マスクを食べなくなった
少し前まで、「布マスクをかじって唾液でぐちゃぐちゃにする」という問題行動がありました。
学校から帰ってくると、ランドセルの中に「食べた」布マスクが何枚もビニール袋に入っていました。
担任の先生か支援員さんがまとめてくださるのでしょう。本当に申し訳ないです。
休日に出掛ける際も、すぐにマスクをぐちゃぐちゃにしてしまいます。
ペナルティーとして唾液で濡れたマスクのそのまま付けさせるという手もあるのですが、本人は濡れていても不快に思っていないようです。
また、濡れた状態が続くと口の周りがかぶれてしまう恐れもあるため、ぐちゃぐちゃになっているのを見るけると、たくさん持ち歩いている予備のマスクに換えるようにしていました。
妻が「マスクを食べない」と紙に書いて、家の中に張り始めました。
家に遊びにきた同級生や実家の両親がこの標語を見て、「マスクを食べるって、どういうこと?」と笑いながら聞いてきました。まあ確かに、奇妙です。
「マスクを食べる」は問題行動ではあるのですが、「人前で鼻をほじる」といった、何よりも最優先して速やかに断固対処しなければならない問題行動よりは緊急度ランクが「ほんの少し低い」という位置付けでした。
「そろそろ何とかしなきゃなぁ」と考えていた中で、ふとした言葉のやり取りを機に、この問題行動が収まりました。
マスクは食べません
食べるー!
マスクおいしいの?
おいしい!
この手のしょーもないアホな言葉のやり取りを息子とすることは結構あります。
「会話」と呼ぶレベルに達してはいませんが、言葉を発して相手の反応を見るというコミュニケーションの練習になるかもしれないと思ってやっています。
ここまではニヤニヤしてて絶好調でした。いつもの「ふざけた息子」です。
じゃあ、●●(息子の名前)さんの明日の朝ごはんはマスクね。ママと、ととはご飯とお味噌汁と、お魚と納豆を食べまーすw
朝ごはんマスク食べません!●●もご飯を食べるー!
想定外の展開に焦り出し、少し早口になってきました。
マスクを焼いてお醤油をかけて食べまーす
食べません!マスク焼きません!
マスク炒める?
炒めません!
夜ご飯でマスク食べる?
夜ご飯マスク食べません!
マスクおいしいんだよね?
マスクおいしくない!マスク食べません!
最後には声が裏返り、「マスクはおいしい」という前言を撤回しました。
彼は間食をほとんどせず、食事は白米+味噌汁+納豆があればOKという、昭和のおじいちゃんみたいな食生活をずっと続けています。
パンやラーメンだから嫌がって食べないということはありませんが、白米があると明らかにうれしそうです。
このやり取りをして以降、息子はマスクを意図的に唾液で濡らすことはしなくなりました。
学校から帰ってくると、ママに「学校でマスクを食べなかった!」と得意げに報告するそうです。
「今日はマスクを食べなかった」とエラそうに胸を張るのは世界で彼だけでしょう、きっと。
彼は、自らの内面世界やポエムをキーボードで綴るといった「奇跡の障害者」的なところは一切ありませんが、このぐらいの「言葉のやり取り」ならできます。
最近は急に発語が増えてきていて、妻とぼくは「いずれは息子と会話ができるようになるかもしれない」という期待を抱くようになっています。
ただ、そうなったとしても、彼は高尚なことは言わなそうです。
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