だんだん力が強くなっていく男の子にどうやって「力の加減」を教えていくか

仕事が休みだけど特にやることもなく、 ひとり家でだらだら過ごしていた平日の午後2時ごろ、息子が通う小学校から電話が掛かってきました。

 こういう時はたいてい、「微熱があるようでですので、迎えに来てください」というやつです。

 で、家に帰ってきて熱を測ると37℃前半でどうってことなく、本人はピンピンしていて「外で遊びたい!」と騒ぎ立てるのだけれど、「熱があると言って早退してきたのに、外で遊んでいるのを見られるのも微妙だよな」と思って対応に悩むーってのがこれまでにありがちなパターンでした。

 しかし今回は、「教室(支援級)のドアのガラスを割って、ちょっとけがをした」ということでした。

 ガラスを割った時に他のクラスメートがいなかったことと、本人のケガも大したことがなかったのがラッキーでした。

 状況としては、無人の教室に息子が先に戻り、追いかけるように担任の先生が教室に入ったタイミングで息子が素手で窓を叩き、一撃で派手に割ってしまったのだそうです。

 先生によると、窓を叩く問題行動は昨年度(3年生の時)からあり、その都度、注意してやめさせていたそうです。また、今回の一撃は、これまでより力が入っている感じでもなかったそうです。

 息子としては、先生に注意されることを覚悟でこれまで通りにガラスを叩いたら、これまでと違ってガラスが割れ、切り傷を負ったーといったところでしょう。

 すごくびっくりしたでしょうし、少し痛かったことでしょう。

そんなに強く叩いたようには見えなかったのですが、力が強くなったのかもしれません

息子がこれまで叩き続けたせいで、もろくなっていたのかもしれません。すみませんでした

今この場できつく注意してもあまり効き目がなさそうですので、家に帰ってからしっかりと言って聞かせます

 担任の先生とこんなやり取りをして、息子を連れて帰りました。

 息子は、保健の先生に貼ってもらった絆創膏が気になるようで何度も眺めてはいましたが痛くはないようで、家に着くと悪びれることもなく「自転車に乗りたい!」などとノンキなことを言っています。

 この1時間後、パートから帰ってきた妻に伝えると、激しく落ち込み、きつく息子に注意しました。

 息子も事の重大さにようやく気づき、神妙な表情に変わりました。

もうね、ここでビシッと厳しく教え込まないと、尾崎豊の歌に出てくる犯罪者みたいになるよ!ガラスもドアも絶対に叩かせない!!

「この支配からの卒業」とかは言わないだろうけど、最近、体が引き締まって細マッチョになってきているからね。力の加減を教えなきゃ

 尾崎豊って、ぼくより2、3年上の人たちがちょうど世代で、だいぶ年下の妻からしたら「昔の変な不良」みたいな雑なイメージしかないようです。かわいそうに。

 妻と話し合い、今後の療育方針が決まりました。

①二度とガラスを叩かせない
②力が強くなっていることを自覚させる

 ①はたぶんスムーズにいくと思います。

 ガラスが割れた時、息子はすごくびっくりしたでしょうし、血が出て少しは痛かったはずです。「しまった」と後悔もしたでしょう。

 この時のことを常に思い出させた上で、

・ガラスを叩くと割れる
・ガラスが割れると自分やお友達が痛くて血が出て「けが」をする
・けがをすると学校に行けない
・けがをすると自転車に乗れない
・けがをするとプールに行けない

 こう書いた紙を繰り返し見せて、繰り返し読ませることで、事件を風化させないという作戦です。

 療育に使うため、事件現場の写真も撮ってきました。

息子が割った教室のドアのガラス
写真=息子が割った教室のドアのガラス。2日後にはもう張り替えてありました。=2021年6月、新潟県新発田市

 こんなにデカいガラスを割って本人のケガが軽く済んで、周囲に人がいなかったことが奇跡です。

 高い授業料でしたが、「ガラスは叩くと割れる」ってことを小さな切り傷で学ぶことができたと考えるとラッキーでしたし、この経験をしっかりと後の人生に生かさなければなりません。

 療育的に難しそうなのは、②の方です。

 息子はうれしくて興奮した時や注目してもらいたい時にママの腕や肩を叩きます。

 傍目には微笑ましい感じで、本人に悪気はなく、じゃれて甘えているつもりのようですが、妻は痛いのだそうです。

 「ママが痛いから叩かないでナデナデする!」と注意するとやめるのですが、感情がたかぶってくると忘れてしまって再び叩いてしまうことがあります。

 本人としては、小さい頃と同じように振る舞っているのでしょうが、今や細マッチョの少年ですからね。

 自分が日々成長して、力が強くなってきて、力をコントロールしなければならないーってことも教える時期が来たということです。

 息子は幸いに、自傷・他害をする傾向は全くみられません。

 しかし、自分の希望が叶えられなかった時に、物を乱暴に扱ったりすることがたまにあります。

 ABA(応用行動分析)による療育の成果からか、気持ちの切り替えが早くなってきているようにみえるのですが、瞬間的に出てくる「負の感情」をうまく処理する方法を教えなければいけません。

 気は優しくて力持ちでモテる自閉症児になるために、これは絶対に必要なスキルです。

 今後いろいろと試した上で、成否をこちらで報告いたします。

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