運動会の11日前、突然お風呂場で白組の応援練習を始めたのはなぜ?

ぼくが平日休みだった日、学校から帰ってきた息子と一緒に自転車でサイクリングロードを走っていると、息子がやたらと大声を出していました。

 うれしい時につい声が大きくなることはあります。

 わざと大声を出して注目を浴びようとしたり、ママやぼくを困らせてやろうとしたりということもあります。

 ただ、この日はどちらでもない感じでした。

 感情のたかぶりからでもイタズラ心からでもなく、ただただ自然に声がデカい。

 夜、一緒にお風呂に入った時に理由が分かりました。

フレー、フレー、しーろーぐーみー!

フレーフレー白組! フレーフレー白組!

もう1回!

 なるほど、運動会の応援練習があったのか。お風呂場だからさらに声がデカいのなんの。

 応援練習で何度も大声を出していたので、その延長で家に帰ってきてからも声が大きくなっていたと考えられます。

 運動会、息子は白組なのか。そんな話を自分からしてくれませんが、この一件で思いがけず学校での情報を得ることができ、妻と喜んでいました。

 翌朝、一緒に登校した同じクラス(通常級)の女の子にこのエピソードを話しました。

うちのクラスは全員、紅組だよ。あと、昨日はダンスの練習があったけど応援練習はなかった

えっ、じゃあ、なんでお風呂場で白組の応援をしていたんだろう…

それは分からないけど、☆☆さん(支援級の愛称)の方で昨日練習したのかなぁ

 支援級のクラスメートは通常級でも同じクラスだから彼も紅組のはずで、支援級でも白組の応援練習はしないはずです。

 分からなくなってきた。息子に問いただしても答えられないだろうし、担任の先生にそんなしょーもないことを聞くのもはばかられるし…。

 ここまでのエピソードを妻に話すと、謎を解くヒントが見えてきました。

 PTA役員の妻によると、昨年度の運動会は、新型コロナウイルスの感染防止対策でかなりイレギュラーな形で開催されたそうです。

 保護者の入場制限がかかり、当日の子どもたちの応援はペットボトルを叩くか拍手で、声を出さないようにし、その代わり、子どもたちが応援する声を録音したものを会場に流していたとのことです。

 そんな苦労があったのですね。

 もちろん、今年度の運動会も大声での応援はなしーだそうです。ワクチン接種は始まっても、全く収束する感じではないですから。

 となると、息子はおそらく昨日、「子どもたちが応援する声を録音したもの」をどこかで聞いたのでしょう。で、その録音がたまたま白組の応援だった、と。

ぼくが大声(奇声)を出すと注意されるのに、(普段大声を出さない健常児の)お友達がいっぱい集まって思いっきり大声を出してて、面白いなぁ

 こんなふうに思っていたのかもしれません。

 息子だけでなく、多くの子どもたちも大声で応援したいだろうに、かわいそうだなぁ。

 運動会の準備といえば、妻がこの翌日、支援員さんから貴重な情報がもたらされました。

すりこぎ棒に紙を巻いて作ったリレーのバトン
写真=すりこぎ棒に紙を巻いて妻が急きょ作ったリレーのバトン。少し重いのですが、家にサランラップの芯がなかったので仕方なかったようです

 息子はリレーの練習で走っている際、通常級のクラスメートからたくさん声援をもらったのを気を良くして、持っていたバトンを次の走者に手渡さず、上に放り投げてしまったそうです。

 これは非常にマズい。

 「できるかぎり早く走って、しっかりとバトンを手渡すことでクラスメートからより多くの声援をもらえる」ということをしっかりと教えなければいけない。

 白組応援の謎解きは一旦中止し、この日から「バトンの受け渡し」の猛練習が始まりました。

 昨秋の運動会について書いた記事を読み直して思い出しましたが、早くは走れなかったけれど、「ちゃんと」はしていたようです。

 さて、今回は。温かく見守ってくれる通常級のお友達のためにも、なんとかしなければ。

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