このサイト開設を妻に勧めた理由
「はじめに」「プロフィール」欄でざっと触れましたが、ここでは「なぜこのサイトを始めたの?」という点をサイトのメンテナンス担当の夫がご説明いたします。
僕は「つみきの会」が発行しているテキストを1回通読し、つみきの会新潟支部の定例会の会場に妻と息子を連れて行き、何度かセラピーの様子を見学したことはありますが、息子のセラピーには関わっていません。
息子と接する上で「ABAの観点から、こういうことに気を付けてほしい」と妻から言われたことをなるべく実行するように心掛けている程度です。
わが家では、仕事が終わって帰宅すると、息子の話をしながら2人でビールを飲むのが習慣化しています。そんな日々の膨大な雑談の中から、ブログ開設のアイデアが浮かびました。
「つみきの会」とは、自閉症など発達障害を抱える子どもに早期療育を行う保護者のグループです。
療育にはABA(応用行動分析)という手法を使っています。ネット検索すると、会のホームページをはじめセラピスト、会員のブログなどがたくさん出てくると思います。非常に勉強熱心な保護者の方が多いのが特徴です。
これは妻自身も言っていて、僕も感じていたことですが、妻はこの会における「劣等生」です。それでもめげずに、毎回、定例会に参加しています。
子どもによって障害の程度や特性がみんな異なるので一概には言えないですが、他の会員のお子さん(自閉症をはじめ、さまざまな障害があります)と比べても、わが息子は成長は「非常にゆっくり」です。
しかし、ゆっくりとはいえ成長はみられますし、これまでABAの家庭療育を続けてきた成果は大きいと思っています。
「つみきの会」とABA家庭療育の成果を実感した妻は、就学前に息子が通っていた地元の支援センターで一緒だった保護者の方々(ママさんたち)に、ABAを勧めるようになりました。しかし、うまく伝わらなかったようで、しばらくするとABAの話をすることはやめたそうです。
妻としては、かなり気を遣って「ABAをやることで問題行動を減らすのに役立つかもしれませんよ」という伝え方をしているようですが、ママさんたちからは「●さん(妻)だからできるんですよー。私には無理」という反応が多かったそうです。
中には、「息子さんはもともと障害が軽いのでは?」とおっしゃった方もいて、「いやいや、診断は重度自閉症なんです」という言葉を飲み込んだこともあったそうです。
「つみきの会」では劣等生なのに、地域に戻ると「子育てに意識高い系」みたいなポジションに置かれてしまい、妻は困惑していました。
5年以上に及ぶ(そして今後もずっと続く)妻の療育体験の話は、われわれ夫婦の生活圏では需要が薄いようですが、全国的にみれば少しは需要があるのではないかーと考えました。
ABAとの関わり方がユルくたって、一定の成果は出る。テキストをパーフェクトにこなそうとするあまり自分を追い込んでしまって挫折するより、マイペースでも少しずつでも継続していく方が、子どものためになると思っています。息子の成長だけでなく、親の方もマイペースなのです。
健常児(障害のないお子さん)を育てている保護者の方にもお読みいただければうれしいです。
自閉症など発達障害がある子どもについて理解が広まっていくことによって、発達障害児が「生きやすい」社会になっていってほしいという大それた狙いもあるといえばありますが、それ以上に、ABAをベースとした障害児の子育ての手法は、健常児の子育てにも通じるものがあると思うからです。
発達障害の子どもは、健常児と比べて「一部が欠落していて」「別の一部が過剰にある」だけ、ともいえます。子育ての悩みや喜びは、共通する部分が多いはずです。
この文章を書く前に、障害児の子育てをテーマにしたブログをいくつか読みました。論理構成も文章力もしっかりしたものばかりでしたが、思いが溢れすぎてか、長文が多かったように感じました。ここでは、ユルくて読みやすい内容を心掛けていこいうと思っています。
発達障害の有無に関わらず子育てをしている方も、気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。
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