「明るい自閉症」とは?

 このサイトのサブタイトルにある「明るい自閉症児」、これは息子の主治医の先生が診察の際におっしゃった言葉から引きました。息子が診断を受けた直後ぐらいで、まだ妻もぼくも自閉症に関する知識がほぼゼロだった頃のことです。
 息子の様子をいろいろと説明する妻に対し、先生が「明るい自閉症だねぇ」と何気なく口にしたのです。妻は、この先生の言葉をずっと心の支えにしているそうです。

 多くの人々にとって「自閉症」ってどんなイメージなのでしょうか?字面からは「自ら閉じている」「症状がある」と想像できると思います。

症状
言語の発達の遅れ、対人面での感情的な交流の困難さ、あるいは全くの無関心、反復的な行動を繰り返す、行動様式や興味の対象が極端に狭い、常同的に奇声を発する、手をひらひら動かす、極度の自己中心的思考になる、物を列や幾何学的に整然と配置する、被害妄想を持つ、ストレスによる他害行為などの様々な特徴がある。

Wikipedia「自閉症」より

 なるほど。確かに、「自ら閉じている」感じですね。「明るい」とはほど遠いイメージでもあります。
 WIkipediaではこの引用部分の後、「自閉症の症状は人によってかなり異なり、以上の特徴が当てはまらない場合もある。」と説明が続きます。

 ちなみに、わが息子は「手をひらひら」「被害妄想」「他害行為」以外、全てぴったり当てはまります。本当にヘンテコな障害なんです。
 自閉症を研究しているドクターは「やりがいがあるだろうなぁ」と思います。ラノベの主人公みたいに転生して異世界に行って最強になる機会があれば、自閉症のメカニズム解明をライフワークとする研究者になってみたいものです。

 現実世界の話に戻ります。主治医の先生が何をもって「明るい自閉症」とおっしゃったのかは、いまだに分かりません。それでも、妻とぼくはこの言葉を聞いて以降、「この子は明るい子に違いない」と信じて接してきました。

 「明るい」の定義はいろいろでしょうが、「明るい要素」としてこれまでに思い当たったことといえば、以下のようなものです。

  1. よく笑う
  2. いたずらをして相手の反応を楽しむ
  3. 褒められると非常に調子に乗る

 1.でいうと、確かに赤ん坊の頃からよく笑う子でした。夜中に寝言とともに笑うこともあります。現在(2019年8月)の会話のスキルでは、「なんで笑っているの?」という複雑かつ高度な質問には答えられないため、笑う理由を確かめようがありませんが、まあ親としては、「怒る」「泣く」よりはずっとありがたいです。

 2.と3.に関しては、健常のお子さんでもあるでしょう。保護者など大人から注目をしてもらいたくていたずらをしたりふざけたりして、注目されて構ってもらえると喜ぶ。子どものこういう気質は、障害の有無に関わらず共通していると思われます。

 Wikiの「症状」の中に、「対人面での感情的な交流の困難さ」という記述がありますが、わが息子は、自分の希望や欲求を伝えて実現してもらいたいときだけは、上手にコミュニケーションができるようになります。希望や欲求といっても、「公園に行きたい」「みかんゼリーを食べたい」という単純なものですが。

 自閉症児が苦手なはずのアイコンタクトをしてきますし、「いい子アピール」もしてきます。相手の顔色をうかがって「ここはもうひと押しすればOKが出るかも」「これ以上押しても無理かな」といった判断をしているように見えることもあります。

 言い方を変えると、自分から希望や欲求を伝えたいとき以外は、「相手と全く目を合わせない」「相手の気持ちを想像しようともしない」わけです。やればできるのにやらない。昔「タンスにゴン」のCMにあった、都合悪くなると死んだふりするおじいちゃんみたいに。
 「こいつ、本当はちゃんとコミュニケーションが取れるのに、面倒くさがってやらないだけじゃないか」という疑念を抱くこともあります。

 これもだいぶ前の話ですが、妻が具体例を挙げながら「息子のいたずらに困っている」「静かにしなきゃいけない場所でふざけてばかりいる」などと主治医の先生に相談したことがあって、その際に「それは自閉症がどうこうではなく、持って生まれた性格なので…」と言われたのを思い出しました。

 「明るい自閉症」というカテゴリーがあるのではなく、「明るい=というかお調子者」という性質が先で、そこに自閉症という障害が乗っかったーと理解するのが妥当なのかもしれません。

 「話す相手と目を合わせる」「あいさつする」といったことは、妻がABAで繰り返し教えています。まだ全然ダメですが、ごくたまにできた時は大げさに褒めるようにしています。引用したWikiの「症状」に「極度の自己中心的思考になる」というのもありますが、まさにこれですね。
 しかし、そんなことでは円満な社会生活を送りにくいでしょうから、少しずつ気長に教えていこうと思います。その上で、「親しみやすい自閉症者」として周囲から受け入れていただけるように成長させていければと思っております。

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