国語の教科書をネット通販で買いました

息子はここ半年ぐらい、国語の教科書を肌身離さず持ち歩いています。家の中はもちろん、車の中でもパラパラとめくっては読み上げています。

 妻が家庭療育でこの教科書を使っていることもあって、文言をほぼ覚えたようです。手元になくてもブツブツと暗唱しています。

 ただ、物語の内容が分かっているかどうかは不明です。現時点では、教科書に興味を持ってくれるだけで上出来で、意味はあとで理解してくれればいいと思っています。

 読み上げるといっても、例によって発語があいまいですので、息子の発音に慣れている学校の先生やセラピストさん、家族しか理解できないと思われます。
 しかし、ある部分だけなぜか必ず、非常にクリアに発音するのです。

こわかった さびしかった とても かなしかった

 絵本でも有名な「スイミー」の一節です。訳者は谷川俊太郎さん。ぼくが小学生の時も教科書に入っていたと記憶しています。こういう名作がずっと教育で使われているのは素晴らしいですね。

小学2先生用の国語教科書「こくご 二上 たんぽぽ」(光村図書)

 ただ、最初に聞いた時はスイミーの読み上げだと分からず、「息子は何か心の闇を抱えているのではないか」と疑いました。

 ボロボロになった「こくご 二上 たんぽぽ」(光村図書)の裏表紙には、こんな記述があります。

この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。

「こくご 二上 たんぽぽ」(光村図書)より

 心にしみます。重度自閉症のわが息子に対しても、「これからの日本を担う皆さんへの期待」を込めてくださっているのです。ありがとう光村図書!

国語の教科書を見比べる息子
写真=ママに仕上げ磨きをしてもらいながら教科書2冊を見比べる息子=2019年12月、新潟県新発田市

 息子はこの教科書が好きすぎて、ページをめくりすぎたため、破れたり紙が薄くなった部分が多々ありますが、妻が毎晩、セロハンテープで補修を重ね、何とか読める状態をキープしています。
 これはこれで「大切に使っている」と言っていいでしょう、きっと。

 ある日に妻と雑談している時、「こんなに好きなんだから、もう一冊欲しいね。学校に教科書を卸している本屋さんで買ってこようかな」という話になって、その場でネットで探してみました。ありました。

 教科書って非売品で特殊なルートを経由しないと入手不可能だと思っていましたので、あまりにあっさりと購入できて驚きました。

 しかし、価格は1500円(送料無料)。ページ数が少ない割には高いんですね。まあ、市場にほとんど流通していない激レアアイテムの「末端価格」ということで、仕方ないのかもしれません。

 朝起きた息子に新しい教科書を見せると、飛び跳ねて喜びました。手に取っては興奮したように「新しい!」、スイミーのページを早速めくっては「マグロ!」と大声で言っておりました。

 よかったよかった。新しいものを買ってこれだけ喜んでくれたのは、年長組の秋に買ったストライダー以来かもしれません。

 しかし、学校ではどちらの教科書を使おうか。2学期はもうすぐ終わるので古いのを使うとして、3学期に新しいのを持って行こうか。

 「これからの日本を担う」子どもたちが使う教科書にも定価はあるはずだと思い、調べてみました。文部科学省のHP(クリックすると該当ページに飛びます)によると、この教科書の定価は402円でした。
 ネット通販で入手した教科書とずいぶんと価格の開きがあります。学校が一括購入する際の定価であって、そもそもバラ売りの価格は決まっていないのかもしれません。ずいぶんと高くつきましたが、息子がとても喜んでいますので、まあいいや。国語の教科書はクリスマスプレゼントということにします。

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