遊んでいるだけにしか見えなかった就学前の感覚統合のリハビリがすごく大事だったんだと後で気付いた〜重度自閉症・中度知的障害児の9年半③運動

過去2回、息子の9年半の成長を「言語」「情緒・感情」から振り返ってきて、最終回は「運動」です。

 息子が運動面で急速に伸びたのが4歳の頃、発語が始まったのは5歳の時で、運動→発語の順に成長していきました。

 時系列でまとめました。

①0〜1歳

自然派子育てひろば「木のこん」の階段を上る息子
(2013年9月撮影)

 運動の面に限ってみると、ほかのお子さんとの違いはみられず、むしろ「優れているのではないか」と思っていたぐらいです。

 ハイハイのスピードが異様に早く、1歳ちょうどで階段の上り下りをするようになりました。プラスチックのボールを投げるのも上手でした。

 写真は1歳9カ月の時で、新潟県小千谷市の子育て支援ひろば「木のこん」での様子です。この大きな階段にはものすごくお世話になりました。

②2歳

 息子が2歳1カ月の時、新潟県長岡保健所で診断名を付けたドクターが長岡療育園の園長先生だったという縁から、長岡療育園で定期的にOT(作業療法)を受けることになりました。

長岡療育園のOTルーム
(2014年4月撮影)

 「感覚統合」「遊戯療法」といった説明を受けましたが、当時はピンと来ませんでした。

 息子は、最初の頃は「場所見知り」が激しかったのですが、慣れてくると楽しそうにしていました。

 写真は、長岡療育園のOTルームです。息子用に、特別に撮影させていただきました。

 2歳半の時には、「つみきの会」のテキスト「つみきブック」を使って妻がABA(応用行動分析)による家庭療育を始めました。

 妻が家庭療育を始めたのをみて驚いたのは、息子の不器用さでした。

 妻がマンガに書いていましたが、「つみきブック」の最初のほうの課題に「つみきをお椀に入れる」というのがあります。

 「息子は運動神経がいい」と思い込んでいたぼくには、「つみきをお椀に入れる」という動作すらできないことはショックでしたが、大きな発見でもありました。

 大ざっぱな大きな動きはできても細かい動きは苦手なのだ、と。

 また、それと同時に、ABAのアプローチで繰り返し教えることで、つみきをお椀に入れるという動作ができるようになり、ABAのスゴさを実感しました。

 ものすごく先は長いけれど、ほんの少し希望が見えてきたような気になりました。

③3歳

 外遊びが大好きになり、室内の遊戯スペースよりも、公園・海・山・川を駆け回るようになりました。

 ただ、1カ所に10分と居ることができず、休みの日などは「市内外の公園5カ所」「海水浴場2カ所」「河川敷・山中の公園」各1カ所をすべて1日で回ることもザラでした。

 車での移動距離が長く、心身ともに疲れました。ガソリン代もかさみます。

 公園でいうと、滑り台は大丈夫でしたが、ブランコとターザンロープはただ「投げつける」だけで、健常児のような遊び方をしてくれません。

 アスレチックが使えませんし、キャッチボールやフリスビーにも興味を示してくれません。

藤塚浜で流木を掲げる息子
(2015年5月撮影)

 写真は3歳5カ月の時で、家から車で20分ぐらいの海水浴場で流木を拾って、海に向かって投げようとする息子です。

 「同じ場所に10分と居ることができない」のは、場所見知りもありますが、興味・関心の範囲が極めて狭くて、「その場でどうやって過ごせばいいか分からない」のだと思いました。

 加えて、子どもに対する人見知りが激しく、せっかく到着した公園に子どもが集団でいるのを見つけると、車を降りようとしませんし、なんとか連れて行っても1分もしないうちに車に戻ってしまいました。

④4歳

 「場所見知り」「人見知り」の傾向が薄くなり、息子と休日を過ごすのがラクになってきた時期です。

 これらを克服できることで、息子の「生きづらさ」が少し減ったのではないかと思います。

「いい湯らてい」のブランコで遊ぶ息子
(2016年10月撮影)

 室内にじっとしていられないのは相変わらずでしたが、公園・海・山・川に連れて行った際、同じ場所に30分ぐらいは居られるようになり、1日に巡回する場所を減らしても時間がつぶせるようになりました。大きな進歩です。

 ブランコに乗ることができるようになり、アスレチックも使えるようになりました。

 写真は4歳10カ月の時で、トリミングで消しましたが、同年代の男の子が隣でブランコに乗っています。

 知らない子が近づいてきても逃げないでブランコができたのはこの時が初めてで、うれしくて記念に撮影しました。

 育てやすくなってきたのはありがたかったのですが、言語面の成長はさっぱりでした。

 長岡療育園でOTを受けている息子はいつも楽しそうなのですが、このOTが息子の成長にどう役立っているのか、当時は分かりませんでした。

⑤5〜9歳(現在)

 運動面での成長は、ここからゆっくりと、着実に進んでいきました。発語も始まりました。

 これまでの取り組みに対する成果がようやく、目に見える形で現れてきました。

 この4年間で自転車に乗れるようにもなりました。

 階段の上り下りとストライダーでバランス感覚は鍛えてあったのですが、「ペダルをこぐ」という動作を覚えるのに時間がかかりました。

 放課後に学校近くの公園で一緒に自転車に乗っていると、公園にいた知らない女の子が「えっ、自転車乗れるんだ…、すごい…」と言っているのが聞こえてきました。

 学校で見る「何もできなさそう」な息子の様子と、自転車を余裕で乗りこなしている姿が結びつかなかったのでしょう。


 こうして過去の出来事を整理してみると、運動面では、長岡療育園で受けたOTの効果が大きかったのだと実感しています。

 感覚統合については、「LITALICO(りたりこ)発達ナビ」記事「『感覚統合』とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめ」に分かりやすく載っています。

 とてもよくできた図解です。

 ぼくもそうでしたが、「とにかく1日も早く発語ができるように」と日々焦り続けていても、「基礎的な部分を固めていかないと言語にまで到達しない」ということがひと目で分かります。

 「感覚統合」「不器用さの克服」「上手に体を動かせるようになること」が運動だけでなく、あらゆる成長のカギを握るということなのでしょう。

 ぼくと並んで自転車でサイクリングロードを走る息子は、すごくいい笑顔です。

 風を切って走るのが気持ちいいのでしょうし、「やればできる」という自信にもつながっているのでしょう。

 成長が止まっているように見える頃はしんどいですが、急に伸びる時期はいつかきっと来ます。

 そうでも思わなければやってられないですし、うちの場合、そう思い続けていたら、その時期がきました。

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