「しゃべれない病気なんだー」

この言い回しはこれまで、妻が何十回となく使っています。
 先日も、近所にお住まいの3歳の男の子に言っていました。

 この子はいつもニコニコしていて人懐っこくておしゃべりが上手で、息子の姿を見つけると付いて行ったり話し掛けたりしてくれます。
 それなのに息子は、この子の行動を気にするふうはないし、返答することもないし、聞き取りにくい発語を虚空に向かって繰り返すばかりです。

ねえねえ、●●(息子の名前)ちゃんは、なんでしゃべらないの?

●●はねぇ、しゃべれない病気なんだー

あー、そうなんだー

 このやり取りで理解してくれる3歳児ってスゴい。

 この子が特に賢いのか、それとも、健常児全般でみんなこんな感じなのか?
 ずーっと息子と一緒に暮らしていると、「その年齢の健常児はどんなふうなのか」ってのが分からなくなります。

 これまでの経験上、「病気」という言葉で説明すると、子どもたちは分かってくれます。
 病気という概念は、早い段階から教わり、覚えるのでしょう。

 「障害」という言葉だと、どうか。
 同級生(小3)の健常児でも、理解するのは難しいかもしれません。

 学校の先生が息子のことを健常児の児童に説明する際にはもっと丁寧な表現を使っているのかもしれませんが、親としては、現時点では「しゃべれない病気」で十分だと思っております。

 そもそも、病気と障害の違いはどこにあるのか。

 ぼくはこれまで、治るものが「病気」、治らないものは「障害」と理解していました。
 治らない致死的な病気をわざわざ「不治の病」と呼ぶぐらいですから、そうでない普通の病は、治ることが前提であると。

 さっき調べたところ、だいたい合っているようです。

 「病気 障害 違い」でGoogle検索したら、こんな記事が出てきました(太字は筆者)。

適応障害は、ストレスに耐える力を超える出来事が起きたときに、心や体に不調が起きる病気です。

「あらたまこころのクリニック」サイト「適応障害とうつ病の違いについて教えてください」より

 息子は重度自閉症+中度知的障害がありますが、ABA(応用行動分析)による家庭療育で、できることは増えています。

 ただ、息子とずっと暮らしている経験上、いくら療育を重ねても「自閉症的な傾向」がゼロになることはあり得ないとも確信しています。

 「自閉症的な傾向」がゼロになった方が彼にとって「生きやすい」のは間違いないでしょう。

 「障害は個性」などというキレイゴトを言うつもりはありませんし、個人的にはあまり好きではない表現なのですが、親から見た彼の「愛すべき部分」は、彼の「自閉症的な傾向」と絡み合っているようにも思うんです。

 健常児や、息子より障害が軽く見えるお子さんと接しても、これまで一度も「うらやましい」と感じたことがないのは、そういう考え方が背景にあるのかもしれません。

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