ニートが暮らしやすい社会はきっと、障害児が暮らしやすい社会でもある

大阪のABCテレビが制作したドキュメンタリー番組「テレメンタリー2020『強度行動障害~わが子を手放す日~』」をYouTubeで偶然見つけ、観ることができました。

 この番組を観るのは初めてですが、この番組を観た方が書いたブログの感想を「「テレメンタリー2020『強度行動障害~わが子を手放す日~』を観て思ったこと」というタイトルのブログを読んで思ったこと」というタイトルでこちらに書いたことがあります。

 非常に考えさせられる内容でした。こちらから観ることができます。

 こうした番組を制作し、ネット上で観ることができるようにされているABCテレビさんには深く感謝しております。ありがとうございます。

 この番組を観終わった後、YouTubeさんが勧めてきた動画を何本か観た中で、興味深いドキュメンタリー番組を見つけることができました。

 大阪の読売テレビが制作した「限界集落のニートたち~彼らがここで暮らすワケ【ゲキ追X】」です。

 和歌山県の山奥にある限界集落の空き家を「ニートの居場所」としてNPO法人が提供し、そこで10代から30代までの男女十数人が共同生活している様子を描いたものです。

 他人を「勝ち組/負け組」に分類したがる人たちからすれば、こちらに集まっている若者はみんな、「負け組」なのでしょう。

 「落ちこぼれ」「ドロップアウト」なんてイヤな言葉もありますが、ここで暮らしている若者は、就職はしたけれど社会に馴染めず、いわゆる社会人を取り巻く競争や同調圧力などというステージから「自ら離れていった」方たちです。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、家庭内でのDVが増え、解雇や廃業、大幅な収入減などで生活が立ち行かなくなる人が増え、2020年に自殺した小中高生の数は過去最多となりました。

 社会は、このドキュメンタリー番組が制作された時より、さらに世知辛く、より「生きづらさ」が増していることでしょう。

 重度自閉症+中度知的障害があるわが息子はそもそも、社会の中で「勝ち/負け」といったステージとは最初から無関係です。

 それゆえ、ここに集まった若者たちのように、社会に参加しようとしたけれど適応できないことによる「強いストレス」を感じることもないでしょう。

 しかし、社会がより世知辛くなっていくことで、ストレスのはけ口が社会的弱者である障害児(者)への攻撃に向かうことは容易に想像がつきます。

 このドキュメンタリー番組に登場した女性の「ここで住むようになって『頑張らなくても生きていける』という実感ができるようになった」という趣旨の言葉が紹介されていました。

 競争や勝負から自ら離れたニートが、伸び伸びとそれなりに生きていける場所があることは重要だと強く思いますし、子どもの将来を案じる障害児の親としては、決して他人事ではありません。

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