イスに座ることすらできなかった重度自閉症児に7年後、「メモ帳」「スケジュール管理」機能が追加され、とても頼もしい存在になった
息子に診断名が付いてネットでいろいろ調べていた頃、ある先輩ママさんが「自閉症児が『メモ帳』『スケジュール管理アプリ』の代わりになる」という趣旨のツイートをされたのを覚えています。
自閉症児は記憶力がいいから、その日の予定などを自分の代わりに覚えてくれる、と。
当時の息子の様子からはとてもそんな将来が想像できず、「そんな時が来るといいね」なんて妻と言い合った記憶があります。
まさに前回、妻が療育マンガに描いていた頃のことです。
息子は当時2歳半、イスに座ることすらできませんでした。
あれから7年。ついに、わが息子にも「メモ帳」「スケジュール管理」機能が追加されました。
先月、ぼくが平日休みの日、これから3人揃って寝ようと寝室の電気を消した直後に息子が言いました。

ママ お薬 飲んでいない〜!

あっ、忘れてた。ありがとう
そうか、妻は寝る前に薬を飲む習慣があったのか。知らなかった。
おかげで妻は薬の飲み忘れを防ぐことができました。

あたしの習慣を覚えているってのもスゴいけど、あたしの様子をずっと見ていて「今日は薬を飲んでいない」って気付いていたんだね

来た! ついに「メモ帳機能」が追加されたか!
妻によると、この一件の少し前から息子は、ママが忘れていることを指摘しては得意げな様子になっていたとのことでした。
ママがミュージックセラピーに行くのを忘れていると、

今日きんようび! ○○せんせい(ミュージックセラピーの先生)の家に行く〜!
妻とぼくが会話をしていて、妻がぼくの休みの日を覚えていないことが分かると、

あさって とと休み〜! 自転車に乗る〜!
などなど。
まあこれは、息子が記憶力が良いというより、妻が忘れっぽいだけかもしれません。
ぼくが夜勤の時は、妻がおにぎりを作ってくれるのですが、ぼくがカバンに入れ忘れて家を出た日には、

とと おにぎり忘れた〜!
と、うれしそうに何度も何度も言い続けていたそうです。
なにもできない子だったのに、しゃべれるようになった上に、家族の中で一番「記憶力が確か」な存在になるとは…。感慨深いものがあります。
最近はこんなこともありました。
急に暑くなってきて、庭に蚊が出てくるようになり、昨年買った蚊取り器を使おうと思って家の中を探したけれど、ずっと見つかりませんでした。
この、わが家自慢の機器については、過去に書いたことがあります。
日本が誇る青色LEDの技術を使った優れもので、9000円もした高級品?です。
蚊を取るパワーはイマイチなのですが、コガネムシや小さな羽虫を捕まえるのに絶大な役割を果たしてくれました。
収納スペースがそれほどない家の中を妻と2人で2週間かけて探し続けても出てこなかったのに、ある日、息子がどこかから持ってきて、コンセントにさして遊んでいたそうです。
君が隠していたのか。それにしても、どこに置いていたのだ。

ねえ、これ、どこにあったの?

ととの部屋にあった〜!
いや、そんなはずはないのだが…。
最初から息子に聞いておけば、すぐに見つかったのかもしれない。
「メモ帳機能」にとどまらず、いつの間にか、わが家の備品管理にも手を出していたようです。
こういう役割は、あまり彼に任せたくないのですが。

にほんブログ村

自閉症児育児ランキング
お子さんのDQ(発達指数)が低いからといって落ち込む必要は全くないです
しつこく勧誘してくる新興宗教の信者から身を守るために知的障害児(者)とその家族ができること
8年間続けてきた「つみきの会」を卒業しました
3歳の自閉症児が飛行機に乗った話
「明るい自閉症」とは?
「異議あり!『奇跡の詩人』」を読み、ネットが普及していなかった時代のマスコミがいかに不誠実かつ傲慢だったかを再認識した
「『知的障がい者・精神障がい者のグループホーム、福祉施設』は必要なものだけど、自分の家の裏には作ってほしくない」という考え方について
やまゆり園の「監禁ドライブ」みたいなことは、息子が4〜5歳の頃にぼくも毎週やっていた〜相模原障害者殺傷事件019