大人よりイマドキの小学生の方が多様性に対する理解が深い

息子はもうすぐ小4ですが、学校での様子を息子に尋ねても、相変わらず要領を得ません。

今日は学校で何の勉強をしたの?

★★(支援級の担任)先生と勉強した!

算数の勉強はした?

算数、勉強した!

体育は?

体育した!

体育で何をしたの?

跳び箱した!

(ホントかなぁ…)

 いつもこんな調子ですので、「テキトーに答えているだけではないか」と疑うこともあるのですが、担任の先生が毎日書いてくださる連絡ノートの内容とだいたい合っていることが多いです。

 「●●(息子の名前)さん、跳び箱ちゃんとできてたよー」などと、下校中に一緒になる同級生が息子の様子を教えてくれることもあります。

 とても貴重な証言です。

 先生の連絡ノートよりも「現場に近い声」ですし、同級生たちが息子のことをどういうふうに見ているのかも分かるからです。

 それにしても、健常児の小3はよくしゃべる。

 自分の両親より年上であろう妻やぼくに話し掛けてくれるのですから、もともとコミュ力が高い子たちなのでしょうけど、いつも感心するばかりです。

 健常児の親御さんからすると、「学校から帰ってくるとずっとしゃべっていて、相手をするのが大変」とお困りの方もおられるかもしれませんが、重度自閉症児の親である妻やぼくにとっては新鮮なのです。

 妻から聞いたエピソードを一つ。

 数日前、パート先から学校に車で息子を迎えに行った妻は、家によく遊びに来てくれる同級生の女の子と学校の玄関で会った時のこと。

 彼女は一緒に遊びたかったようですが、妻は息子をすぐにミュージックセラピーに連れていかなければならなかったため、彼女を家まで車で送っていくことなり、車を出そうとしたら、同級生の男の子が大きな荷物を持ちながらヨタヨタと歩いてくるのが見えたそうです。

 彼女は、この男の子を「助けてあげたい」と思い、妻に気持ちを伝えたそうです。

 しかし、妻としては、歩きであれば男の子の荷物を持ってあげて4人で歩いて帰ることもできたけれど、車で来てるしあまり時間はないし、知らない男の子を車に乗せるのも問題だろうーと考えたとのこと。

 まあ、そりゃそうですよね。

 で、車内でこんなやり取りをしたそうです。

男の子だから、一人で頑張って帰れるよ

それは男とか女とかは関係ないんだよ

 いやホントにおっしゃる通り。

 折しも東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長が女性蔑視の失言で辞任に追い込まれ、昨日(3月8日)は「国際女性デー」。

 こういうしっかりした子だからこそ、障害があって会話がほとんどできない息子のことも「障害のあるなしは関係ない」と思ってお付き合いしてくれるのでしょう。

 40年ぐらい前、ぼくが小学生の頃、大人に対して臆せずにこんなふうに言える子って、いたのだろうか。

 「他者の多様性を認める」という点で、今の小学生の方がずっと意識が進んでいるのでしょう。

 ありがたいことです。

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