障害児を加害者にしないでサイクリングロードを楽しむために保護者が気をつけること

写真=落ち葉に覆われた赤谷サイクリングロード=2021年11月、新潟県新発田市

息子の「ことし最大の楽しみ」であるサイクリングの季節が終わろうとしています。

 雪が降り始めるまでが勝負です。冬の間、体を思い切り動かせて没頭できる代わりの何かを探さなければいけません。

 以前、障害児である息子が事故に巻き込まれずに安全に自転車に乗るため、伴走者であるぼくが気をつけていることについて書きました。

 今回は、息子が加害者にならないために気をつけていることを書きます。

 余談ですが、お子さんとサイクリングをされるのであれば、お子さんが誰かを怪我させたり物品を壊した時に保険金が支払われる「個人賠償責任保険」には入った方が安心です。うちは、家を買った時の火災保険に個人賠償特約を付けていました。

 サイクリングロードを走り始めて7カ月、自転車に乗っている息子が歩行者や他の自転車とぶつかったことは一度もありません。

 駐車場の車止めにぶつかったのが1回、転んだのは計3回にとどまっていますので、なかなか優秀です。

 「ヒヤリ・ハット」の事例は特に最初の頃、何度かありました。その経験を踏まえて教えていくことで、リスクを減らすことができているように感じます。

 お子さんの「クセ」や「こだわり」をしっかり理解することで、危険な行動をあらかじめ察知し、事前に対処することができます。

 実際にあった事例を一つ。

 サイクリングロードで歩行者と向き合った際、ゆっくり進む歩行者は道路の端に寄り、動きの速い自転車は道路の広いところ(真ん中あたり)に進路変更してすれ違うーということが多いのではないでしょうか。(図「①通常のパターン」参照)

 自転車に乗る人も歩行者もそれぞれ合理的な判断をして危険を回避したといえます。

 重度自閉症・中度知的障害がある息子も、このぐらいの合理的判断はできます。

 しかし、道路の端っこに「興味を引くもの」があると不自然な(に見える)ルート選択をしてしまい、歩行者を驚かせ、危険にさらすことになります。(図「②注意が必要なケース」参照)

 「興味を引くもの」はお子さんによってさまざまでしょう。息子の場合は「グレーチング」(自転車で通ると「ガタン」と音がする)、「水たまり」(タイヤで水をはじくのが楽しい)、「乾いた落ち葉」(カサカサという音が心地よい)です。

 前方にこれらのものがある時は、早めに息子に声を掛けて、注意を促します。

 あと、すれ違う時より追い越す時の方がリスクが高いです。

 サイクリングの時は息子が少し前を走る形が多いので、前に人がいる場合には「前を見て走る!」と息子に大声で呼び掛けます。これが前方にいる歩行者の方への注意喚起にもなります。

 息子はいつも「ととはホッケ食べません!」「ママはビールを飲まない!」「写真撮って〜!」などと、その日のお気に入りの言葉を呪文のように繰り返しながら自転車をこぐので、歩行者の方も「変わった子が来た。気をつけなきゃ」と身構えてくださってるとは思いますが。

 サイクリングロードを利用する皆さまの「お気遣い」と「優しさ」のおかけで息子が自転車を楽しめていることは実感しています。ありがとうございます。

 そんな中で、自転車の側が気をつけた方がいい歩行者のタイプを、これまでの経験から危険度のランク付けしてみました。

①初々しいカップル

 サイクリングをしている時によく一緒になる「障害児(者)と支援者(家族)の散歩」「1対1で自転車やスケボーの練習をしている親子」「お年寄り夫婦の散歩」「ジョギングする中年男女」の方々から危険を感じたことは一度もありません。

 先方の皆さんから「危険そうな親子がまた来た」と思われている可能性はありますが。

 息子には「小さいお友達やおじいさん、おばあさんがいる時はゆっくり走ろうね」と何度も教えていて、本人もある程度は理解しているような感じがします。

 田舎のサイクリングロードではめったに見かけませんが、手を繋いだり腕を組んだりした初々しいカップルを追い越す時、不安を感じました。平和で微笑ましいのですが、フワフワして「心ここにあらず」な感じが漂っていて、つい身構えてしまいます。

 息子に「初々しいカップルを追い越す時は気をつけようね」と注意喚起しても決して伝わらないでしょうから、親が身を光らせる必要があります。

②杖をついたお年寄り単独 

 お年寄りのご夫婦から危険を感じたことはほとんどありません。ご夫婦のうちお一人が頼もしくて、周囲に目配りしたりパートナーがふらふらしている時に誘導したりと、行き届いているケースが多いです。

 気をつけなければいけないのは、一人で歩いていて、さらに杖をついているお年寄りです。

 突然立ち止まったり予測しにくい動きがあったりする上に、ぶつかって転倒する危険だけでなく、急に自転車が近づいてきたことで驚いで転んでしまう可能性もあります。

③子どもの数の方が多い親子連れ

 大人と子どもの数が同数、あるいは大人の方が多いグループは、子どもの動きに目が届いている可能性が高いので危険度は低いです。

 子どもの数の方が多いと、どうしても目が届きにくくなる上に、大人の注目を浴びたいがために突飛な行動をする子が出てくるかもしれません。

 そういうお子さんには、こちらから声を掛けると危険防止につながりますし、お子さんも喜んでくれます。

④犬の散歩

 全国どこのサイクリングロードも似たようなものかもしれませんが、赤谷サイクリングロードを夕方走ると、犬の散歩をする中高年をたくさんすれ違います。

 飼い主さんにぶつかりそうになることはありませんが、犬が飛びかかってきそうになることはあります。

 散歩中の犬同士がすれ違う時に威嚇しあったりで突然飛び出してくる場合もあります。大型犬に力負けしているように見える飼い主さんもたまに見掛け、緊張が走ります。

※危険度が増す環境や行為

 危険度①〜④を並べてみました。

 こうした状況に加えて、「雨が降っている」「夕方」などで視界が悪い場合は危険度が1ランク上がります。

 また歩いている人が「スマホで通話」していると2ランク、「スマホを操作」していると3ランクそれぞれ危険度が上がります。

 ですので、一番警戒が必要なのは「夕方にスマホを操作しながら一人で犬の散歩をしているお年寄り」に遭遇した場合ーということになります。

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