重度自閉症児のジョークを聞いたことがある方はどれくらいおられるのでしょうか?

「ゴホゴホゴホ」と自分で咳をする真似をした後に「とと(ママ)鼻かむー!」と言いながらぼく(妻)の鼻の穴にティッシュペーパーを押し当てるという悪ふざけが最近の息子のお気に入りであることは、以前こちらに書きました。
 こうして文章にすると、あらためて息子のアホさが再認識されます。

 一方的な要望や欲求の伝達がメインではありますが、会話っぽく息子と言葉を交わせるようになってから1年近くが経ちました。

 これまでの言葉のやり取りを振り返ってみると、「鼻かむー!」のような、親のウケを狙っているようなものが結構あることに気がつきました。

 もっと実のあることを先に覚えればいいのでしょうが、およそ役に立たないしょうもないことに熱中する性質はきっと、親譲りなのでしょう。

 ということで今回は、わが息子のアメリカンジョークならぬ「重度自閉症児ジョーク」を並べてみます。
 アメリカンジョークと同様、多くの日本人にとってはあまり「ピンと来ない」ものがほとんどだと思われます。

 「笑い」について解説することが野暮な行為であるのは重々承知の上で、あえて3パターンに分類してみました。

①勝手に第三者の行動を決める

「とと会社に行きたい!」

 これは先ほどの「とと鼻かむー!」と似たようなものだと思われます。ぼくが会社に行く「習慣」があることを知っていて、「いま会社に行きたいのかなぁ」と忖度(そんたく)して言っているのかもしれません。

 しかしね、ととは会社に「行きたくなった時に行っている」わけでもなく、「行きたくて仕方がないから行っている」わけでもないのですよ。かといって、「行きたくない」わけでもないんです。
 この辺の機微を正確に理解してもらうのには、膨大な時間がかかかると思います。あるいは、一生分かってもらえないかもしれません。

「ママ昼間にビールを飲みたい!」(と言いながら冷蔵庫からビールを出してくる)

 ビールはぼくも飲むのですが、「ビールという飲み物への執着はママの方が強い」と察するところがあるのでしょう、こういう「ビールネタ」はすべてママをターゲットにしています。

 これをやる時に、息子はノンアルコールビールの缶を持ってくることがあるのですが、そうすると妻は「それはジュースで、ビールではありませーん」と律儀に指摘します。
 でも、その部分に厳密に反応しなくてもいいのではないかと、ぼくは常々思っております。

②「社会通念」「一般常識」から外れたことをあえて言う

「車に乗ってビールを飲んでいい!」

 またビールの話ですが、これは妻がだいぶ前に「ビールを飲んだら車を運転できません」と教えたことがえらく気に入り、「これはウケるはずだ」と確信して言い続けているようです。

(ゼリーを電子レンジに入れて「あたため」ボタンを押そうとするポーズを取りながら)「あったためる!」

 息子は夕食後にゼリーとチップスターを食べる習慣があるのですが、その際によくやる「おふざけ」です。
 決して電子レンジのスイッチは押しません。そして、必ず「あったためる」と、どもるのです。

 ちなみに、息子は間食をする習慣がないこともあって、ご飯を必ず3杯は食べます。夕食後にゼリーとチップスターを食べるのは、お腹を満たすためというより、習慣化された儀式みたいなものだと思われます。

(冬なのに)「市民プールに行く!」

 隣の市にお気に入りの温泉付き温水プールがあるのに、夏休みしか営業していない屋外型の市民プールをわざわざ指定してきます。
 しばらく対処法が定まっていませんでしたが、ある時に「よし、今から市民プールに行くぞ。水着に着替えて車に乗って」と返すと、息子は「冬は市民プール空いていない。寒い寒い市民プール」などと慌てて釈明をしてきて、それ以後は言わなくなりました w

③意図的に数字を間違える(ずらす)

「3たす3は5or7!」

 足し算の答えをわざと間違える時は、必ず±1の数字を挙げます。
 これはきっと「ぼくは正しい答えは分かっているけど、わざと間違って言っているんだよ」というアピールだと思われます。それ、いらんわ。ちゃんと答えてください。

「3時に夜ご飯を食べる!」「4時にお布団に入る!」「4時30分に電気消す!」

 息子は普段、午後5〜6時に夜ご飯を食べ、7時30分にお布団に入り、8時に電気を消すーという規則正しい生活を送っています。
 「違うよ〜」「それは早すぎる」という反応を期待しているのだと忖度し、その通りに反応しております。

「●日なんじゃ村に行く!」

 これは補足説明が必要です。妻は月に1回、100円ショップの「なんじゃ村」に行ってABA(応用行動分析)の家庭療育で使う道具やお菓子、雑貨類をまとめ買いしており、息子はそれに付いていくのが何よりも楽しみなようなのです。

 そして、あまりに息子が喜ぶので、「来月はこの日に行くよ」と事前通告して、カレンダーにも記しておくのがわが家の習慣になったのですが、息子はいつも、通告した日より1日ずらした日付を繰り返し言ってくるのです。
 これも、「1日でも早くなんじゃ村に行きたい気持ちの発露」というより、「違うよ〜」「1日早いよ」という反応を期待しているからですね、間違いなく。

 「意図的に間違える」という手法は、ナイツの塙さんが昔よくネタに使っていた「ヤホーで調べました」に通じるものがあるのかもしれません。こうした「ジョーク」を両親以外の前でも披露しているかどうかは不明ですが、たぶん披露していないでしょうね、彼は「内弁慶」なところがありますから。
 しかしまあ、こんなことを相手を選ばすに言いまくっていても、どう反応していいのかと相手を困らせてしまうだけですので、内弁慶のままでいいのかもしれません。

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