ダウン症のお子さんには「素敵なイメージ」しかない

息子がいま通っている支援級のクラスは4人学級のようです。
 教室にいつも机が四つ並んでいるので、「多分そうなんだろうな」と思っています。

 仕事が休みで息子を学校に迎えに行っても、教室に2人以上の児童を見たことがありません。

 妻は3人目4人目のクラスメートに会ったことがあるそうですが、このお二人は通常級に行っていることが多いとのことです。

 息子が所属するクラスは、「多くの時間を支援級で過ごす2人」と「多くの時間を通常級で過ごす2人」で構成されているそうです。

 学習の遅れが気になる科目は支援級で学び、それ以外の多くは通常級で過ごす。
 教育委員会的(文部科学省的?)には、ぼくがお会いしたことがないお二人の児童の方が「正統的な支援級の使い方をしている」のかもしれません。

 というわけで、今回は支援級の教室にいつも一緒にいる「相棒」ともいえる、ダウン症の男の子との日常について。

 息子のいる支援級、担任の先生は毎年変わっていますが、彼とは3年間ずっと一緒です。

 彼は落ち着きがあってとても社交的で言葉を使ったコミュニケーション能力が高く、ぼくが息子を迎えに学校に行くと、「あっ、●●(息子の名前)さんのお父さんだー。こんにちはー」と、目を合わせて笑顔であいさつしてくれます。

 こんな時、息子はというと、ぼくの姿を見つけると喜んでぴょんぴょん飛び跳ね、落ち着きがなくなります。

 「一刻も早く教室を出たい」という気持ちが前に出過ぎて、担任の先生や支援員さん、彼との帰りのあいさつもテキトーになってしまい、いつも注意をします。

 余談ですが、これは「学校にいるのがイヤだから早く帰りたい」ということではなくて、迎えにきた妻やぼくの姿を見た瞬間に気持ちが「帰宅モード」に切り替わって、早く次の行動に移りたいという心情からです。

 妻によると、クラスの中ではこんなやり取りが結構あるそうです。

★$%×●&&#△▼*¥@%&!!(聞き取りにくい言葉を大声で発しながら突然動き出す)

うるさーい! 静かにしなさい!!

★$%×●&&#△▼*¥@%&!!(聞く耳持たず)

 彼はこんなふうに、突然大きな声を出す息子をたしなめて(?)くれるそうです。

 ただ、息子はほとんど言うことを聞かないようです。

 ABA(応用行動分析)を使った家庭療育を続けている効果から、息子は基本的に大人の言うことは聞く(例外は数知れずある)のですが、クラスメートの彼を始め、子どもの言うことはあまり聞かないです。

 「相手は子どもだからいいや」と思っているのか、大人に比べて話し言葉が聞き取りにくいのか、理由は分かりません。

 話し掛けてもまともに返さない息子を相手に、心折れることなく辛抱強く(かつ力づくで)コミュニケーションを取ろうとしてくれる「身近なお子さん」は、とても貴重なのです。

 また、こんな関係性でもあるようです。

…。(黙々と歩き続ける)

もう疲れた!イヤだ!歩きたくない!

…。(反応せず、黙々と歩き続ける)

 いい意味で子どもらしく、素直でかわいいですよね。

 支援級ではおそらく、息子の方が先生と支援員さんの手をわずらわすことが多いと推測されますが、こういう場面になると、例外的に息子の方が扱いやすくなるのかもしれません。

 生まれ持った性格や家庭環境の影響もあるのでしょうけど、障害の種類が異なると、こうも違うものか。

 彼はいつもニコニコしながら声を掛けてくれますし、言葉やしぐさの一つ一つに心がこもっているのが伝わってきます。

 「うらやましいなぁ」と思います。

 もちろん、「よその芝生は青く見える」みたいなもので、保護者の方々には、自閉症児を育てるのとは違ったご苦労が多々あるのだとは想像できます。

 自閉症児と同様、ダウン症のお子さんにもいろんなタイプがあって、「困難なこと」「得意なこと」も千差万別なのでしょう。

 「ダウン症児は天使」なんて言葉を聞いたことがあります。

 ぼくは、障害児(者)を一緒くたにして「天使」「まっすぐ」「嘘がない」「純真無垢」などと呼ぶのは好きではないですが、それでも、クラスメートの彼と接すると、「天使と言ってしまう人の気持ちも理解できるなぁ」と少し納得してしまいます。

 しかし、彼はわが息子のことをどんな存在だと捉えているのだろう?

 コミュニケーション能力が高い彼のことですので、聞けば答えてくれそうですが、まあ聞かないでおきます。

 「何を考えているか分からない変人」ってとこでしょう、きっと。

 まあそうだよね。ぼくもそう思います。

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