「重度自閉症児と暮らす日常」を記録し続けて思ったこと〜序に代えて

このサイトの立ち上げから早くも1年が経ちました。
 これまでに妻が3本、ぼくは87本のブログ記事を書きました。

 療育のことをメインにする予定でしたが、結果として療育に直接関わっていないぼくの雑文が大部分を占めることになってしまいました。

 また、技術的な問題からiPad proとパソコンでこのサイトを表示した場合に一部ページでレイアウトが崩れることにも気付きました。
 いずれまとまった時間がある時に対応いたしますので、それまではスマホなどでお読みいただければありがたいです。

 息子の夏休みが終われば、妻もマンガを書く時間ができると思います。

 サイトを始めた理由やサイトを始めるまでのことは、「はじめに」「これまで」の部分に記してあります。

 問題意識や取り巻く環境は1年経ってもそれほど変わってはいませんが、書き続けてきた中で「気付いたこと」「考えたこと」はいろいろありました。

 それらのことを、数回に分けてまとめていこうと思います。

①療育と生活のバランス(セラピー・ライフ・バランス)をどうする
②親であるわれわれが死んだら障害を抱えたこの子はどうなってしまうのか問題
③障害児が「ひとりっ子」であることについて
④障害児の親にとって「幸せ」とは
⑤なんでこんなブログを続けているのか

 こんな感じで予定しております。

 タイトルだけ並べると「重い」感じがしますが、たぶんそれほど重い内容にはならないような気がします。


 それらを書いていく前段階として、現時点(2020年8月末)での息子の到達点を以下に記します。

 自閉症の子どもは成長の仕方がその子によってばらつきが大きい(定型発達ではない)こともあって、本人が感じているであろう「生きづらさ」と保護者の「しんどさ」は千差万別なんです。

 それゆえ、保護者が療育や障害について語る際には、前段階で「わが子は現在こんな感じです」と説明する必要があります。

 ブログを始める前の状況については、「これまで」と題した部分に記してありますので、ここ1年間の成長についてまとめます。

 まず、トイレトレーニングはほぼ終了しました。素晴らしい!

 1年前は、洋式トイレでうんちはできましたが、紙でお尻を拭くことがうまくできず、うんちが終わると妻かぼくをトイレに呼び出していました。

 しかし今は、きちんと紙で拭くことができます。
 トイレットペーパーの消費量が多めでウォシュレットはまだ使えませんが、十分です。

 食べ物の好き嫌いはほとんどありませんし、家では1回の食事で白米を茶碗2〜3杯は食べます。

 寝起きの時間も規則正しく、園芸バサミを使ってピーマンやナスを収穫できます。
 洗濯物を干すのが好きで、燃えるごみをゴミステーションに持って行ってくれます。

 ひらがなと数字、小学1年で習う漢字は読めます。形がいびつですが文字も書けます。
 歌うことも好きです。よく笑います。

 絵を描くのは苦手ですが、親のスマホを奪っていろいろなものを撮影して、自分が撮った写真を眺めるのが好きです。

 しかし、会話はできません。

 「服を着替えて」「ごみを捨ててきて」といった簡単な指示は通りますし、「ゼリーが食べたい」「お風呂に入りたい」といった簡単な要求もできます。

 指示と要求が組み合わさった簡単なやり取りは可能です。例えば、

4時30分に買い物に行きます

4時20分、買い物に行きたい!

うーん、どうしようかなー

4時25分、買い物に行くー!

じゃあ4時27分に行こうか?

4時27分行くー!

いいよー

(大喜び)

 こんな内容なら可能です。高度な駆け引きに聞こえなくもありません。

 しかし、質問に答えながら会話を前に進めていくことは、現時点では全く不可能です。

将来の夢は何ですか?

パン屋さん!

将来パン屋さんになったら、誰にパンを食べてもらいたいですか?

パン屋さんになったら、何色のエプロンを着たいですか?

 地元のコミュニティFMの番組に、年長組の児童にこんな感じにインタビューするコーナーがあって、登場する児童はみんな上手に答えています。

 しかし、8歳8カ月のわが息子には高度すぎる内容です。

 支援学校の高等部に進む直前、15〜16歳ぐらいになった頃にこういう会話ができるようになればいいなと期待はしていますが、無理かもしれません。

 …とまあ、こんな感じです。

 同い年の健常児(定型発達のお子さん)と比べると、すべての面で成長に遅れがあるのですが、遅れの具合が分野によってまちまちなのです。

 「教えなくても自然にできるようになった」ことは極めて少なく、できるようになったことの大部分は、妻がABA(応用行動分析)を使った家庭療育によって教えたものです。

 自閉症という障害の特性ゆえ「模倣」は苦手です。

 ただ、例外的に、同性であるぼくの様子はよく観察していて、いろいろと真似をしようとします。

 「園芸バサミで野菜を収穫する」「洗濯物を干す」「ガスレンジ周りを掃除する」などは、ぼくがやっているのを見ているうちに、いつの間にか自分から進んでやるようになりました。

 あと、家にいる間は常にぼくの後ろに付いてきて、ストーカーのようです。トイレにも入ってこようとします。

 そんな8歳8カ月の男の子と一緒に暮らしています。

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