通常級の女の子が放課後によく遊びに来てくれる
われわれ家族が暮らす家は、息子が通う小学校の校門まで歩いて4分、学校のグラウンドまでは歩いて1分の場所にあります。
家の前の市道は一方通行であまり車が通らないけど道幅が広いこともあって、多くの児童の通学路になっていて、朝や放課後はにぎやかです。
息子と家の前などで遊んでいると、あいさつしてくれる子も結構います。
ぼくはローテーション勤務で平日休みのことも多いので、「ここのお父さん、仕事していないのかな」と思われているかもしれません。
最近、息子は車庫の2階からジョウロで水を流して、下にいるぼくに「写真撮ってー!」と叫ぶのがマイブームで、これを放課後にやっていると目立ちます。
アホらしいと言えばアホらしいし、「なんて幼稚でアホなことを」という反応があるかもと思ったのですが、家の前を通る子どもたちは面白がってくれているようです。
うかつに車庫に近づいて水をかぶらないようお子さんたちを誘導しながら息子の「勇姿」を撮影するのが父親の役割です。
同級生の女の子がうちに来てくれるようになったきっかけも、家の前でこんなふうに息子と遊んでいて、声を掛けられたことがきっかけでした。
声を掛けるといっても、息子はほとんど会話ができません。
ですので、彼女が息子のことを「友達」とみなしているかどうかというと、違うと思います。
ただ、こうして家に遊びに来てくれるので、息子に対してマイナスの感情を抱いていないことは間違いありません。それだけで十分です。
息子の方も、彼女が来ることをすごく喜んでいるふうはないですが、一緒にいると楽しそうです。
平日の放課後から夕食までの過ごし方は、彼女が来るようになっても、基本的にほとんど変わりません。
ABA(応用行動分析)による家庭療育を行った後、自転車で近所を散歩したり買い物に行ったり庭作業をしたりというルーティンに、「おやつの時間」と、彼女を家まで送り届けることが加わるぐらいです。
少し難しいのが、息子としては毎日同じパターンで過ごしたいけれど、健常児である彼女はそれだけだと退屈してしまうことです。
ぼくが休みの日であれば、妻とぼくで手分けできるのでいいのですが、妻一人で重度自閉症児と健常児の2人を飽きさせないよう相手をするのは高度なコミュニケーションスキルが求められます。
そこで妻が思い付いたのが、「息子の家庭療育に協力してもらう」ことです。
最初は療育している横で見ているだけでしたが、お願いすると快く手伝ってくれるようになったそうです。
今では、カルタの札を読んでくれたり一緒に漢字テストをしたりと、もう有能なスタッフといった感じです。
妻やぼくにいろんなことを話してくれます。これがすごく新鮮なんです。
しかし、小3にもなると高度な会話ができるんですね。その日学校で何があったかを彼女から聞くことができるのはありがたいことです。
息子からも聞くのですが、
今日は学校でなんの勉強をしたの?
○○せんせいとべんきょうした!
国語の勉強した?
こくご べんきょうした!
体育はやった?
たいいく やった!
(ホントかなぁ…)
こんな調子ですので。
本格的な冬が近づいてきて、すぐ暗くなるし寒いしで放課後に遊ぶことができる時間は短くなってきています。
「他に行く場所ができた」「つまらなくなった」などの理由から、明日以降は遊びに来なくなるかもしれません。
女の子は成長が早いですし、急に大人びる時期があるんですよね。
だいぶ前によく家に遊びに来てくれた女の子(息子より1歳年下)がいるのですが、今ではすっかり人見知りでシャイな「大人びた女子」に「成長」しています。
同級生の女の子が今こうして来てくれるのは、「奇跡」のようなものだと思っております。
奇跡が続く限りは、心からのおもてなしをします。
シャインマスカットは高いので毎日用意はできないですが、また買っておきますよ。
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