視覚優位の子の問題行動を減らすには、何度も注意するより紙に書いて張った方が効果が高いしお互いにラク
先日、学校から持ってきた連絡ノートに、息子が「学校でハンドソープのポンプを何度も押して『楽しんでいました』」と書いてありました。
水遊びが好きな息子がいかにもやりそうな問題行動です。
そして、連絡ノートは「●●(息子の名前)さんは文字が読めるので、ハンドソープに『押すのは1回です』と張り紙をしたところ、それ以降は守るようになりました」と続いていました。
息子は視覚優位の傾向があって、耳で聞いたことより目で見たことの方が頭に入りやすいのです。
先生の張り紙で問題行動が止まったのは、まさにABA(応用行動分析)による療育の成果です。
そんな息子の特性に合った対応をしてくださった先生方には本当に感謝です。
「楽しんでいた」って表現に先生の優しさがこもっている気がする
先生の前で問題行動をして気を引こうってよりも、純粋に楽しんでいるように見えたのかも
家でも妻が早速やってみました。
息子は台所のシンクで食器を洗う時、液体石けんのポンプを何度も押したがるので、あらかじめ液体石けんを水で薄めておくという対策をしていました。
妻によると、学校と同様、張り紙をしてからは1回しか押さなくなったそうですので、これからは原液のまま詰めてもいいかもしれません。
この「ポンプを何度も押す」という問題行動(いたずら)は自宅と学校に限定されているようで、ぼくの知る限り、お店やスーパーの入り口にあるアルコール消毒液や、公衆トイレの液体石けんでやっているのを見たことはありません。
彼なりに公私をわきまえているのかもしれません。褒めていいのかどうか分からない事案ですが。
息子は就学前から発語(しゃべる)よりも文字を読む方が得意なようで、5歳の時にひらがなが読めるようになったため、意思疎通の際には絵カードではなく、ひらがなで書いた文字を見せていました。
現在も、しゃべりは2〜3歳レベルだと思われますが、健常児が小3で習う漢字はほぼ読めます。
言って聞かせても理解はしますが、何かに熱中していたり別のことに気を取られていたりすると、せっかく教えていたことが抜け落ちしてまうようです。こうした傾向は健常児も同じだと思います。
何度も同じことを注意されるのは子どももイヤでしょうし、親も疲れてしまいます。
視覚優位の自閉症児に何かを教えるのに、張り紙は非常に有効です。「聞き逃す」ことはあっても「見逃す」ことはほぼないので、確実に指示が伝わります。
今でこそ張り紙は液体石けんが置いてあるシンク1カ所だけですが、教えたいことや問題行動が多い時は、家中が張り紙だらけになっていました。
一昔前のセブンーイレブンのコーヒーマシンのようでした。
Twitterから引用します。
もっとビッシリと注意書きが張ってある画像も見たことがありますが、確かにこれでも十分「うるさい」ですね。
このコーヒーマシンをデザインされた方は「カッコよさ」と「シンプルさ」を追求したのでしょうが、第一線の現場で働く店員さんがこれだけの注意書きを張らなければ業務上支障があると判断されている時点で、多くの人が使う実用的な機械のデザインとしては失格だと思います。
クレーマー対策という側面もあるのかもしれませんが、ユーザーに優しくない自己満足の分かりにいくいデザインが「クレーマーに付け入る隙を与えている」とも言えるかもしれません。
ちょっと脱線してしまいましたが、何を言いたいかというと、相手の特性を考えて伝え方を工夫しないと「伝える努力」は徒労に終わるーということです。
もう一つ挙げるとすると、注意書きが多すぎると周囲の景観が損なわれ、逆に散漫となって一つ一つのメッセージが伝わりにくくなります。
障害児の療育に役立ちそうな教訓っぽくもあります。
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