自閉症児にとっても、ギャンブルをやらない大人にとっても、競馬場は魅力的な「異世界パラダイス」
前回、イナカにおけるゴールデンウィーク後のパチンコ店とスナック&キャバクラを話題にしました。
今回は競馬について書いてみます。
先日、中央競馬の新潟開催が始まったという記事が地元新聞に載っているのを見つけました。
そうなのか。コロナの感染拡大で野球やサッカーなどプロスポーツは軒並み「中止」でしたが、競馬は無観客でやっているのか。
JRAのサイトによると、5月31日までは無観客。6月6日(土)以降の開催については、改めて広報するとのことでした。
ぼくは競馬をやったことはありません。息子が生まれる前、妻と一緒に北海道・帯広に「ばんえい競馬」を見に行き、500円の馬券を買ったことがありますが、ちょっと特殊ですのでこれはノーカウントでしょう。
昨年秋、初めて新潟競馬場に行きました。妻も、もちろん息子も初めてです。
この日、療育仲間のママさんから「競馬場はいいよ」とだいぶ前に勧められたことを妻が急に思い出し、「天気もいいし、行ってみるか」ということになったのです。
自宅から新潟競馬場までは車で20分ぐらいですが、心理的な距離は非常に遠かったといえます。
馬券を買わないのに競馬場に行くーという発想がそもそもありませんでしたので。
行って驚きました。素晴らしいです、競馬場。
こんなに魅力的な「異世界パラダイス」が近所にあったとは。
残念ながら、息子は馬に興味を抱いてはくれませんでした。
ヤギには心を許すのですが、競走馬はイマイチなようです。
妻もぼくも競馬そのものにハマることはないでしょう。
パチンコもしないですし、ギャンブルに使う金があるなら、その分を飲み代に充てたほうがいいという発想ですので。
でも、競馬場という場所そのものに魅了されました。「競馬マニア」ではなく「競馬場マニア」になりそうです。
大阪の朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」で桂小枝さんがやってた「パラダイス」、まさにあれです。
われわれ家族にとって、競馬場はパラダイスなのです。
まず、子ども向けの遊び場が非常に充実しています。
市営や県営の公園と比べ、遊具の手入れが格段にいいです。塗装がはげている部分などは見当たりません。
滑り台とアスレチックが付いた遊具をはじめ、電車にゴーカート、迷路、屋内の遊戯スペースと種類も豊富で、それぞれの場所に複数のスタッフが配置されています。
遊具の維持費もさることながら、人件費も相当かかっているはずです。
この「至れり尽くせり」ぶりは、ディズニーランドを思わせるものがあります。
さすが公営ギャンブル、儲かっているんでしょうね。
食事ができるスペースも充実していますし、丸一日過ごせそうな快適さです。
さらに、息子が競馬場を気に入った最大のポイントは、気兼ねせずに遊べるドアがたくさんあることです。
屋内の馬券売り場から外のコースへ頻繁に人が出入りしているため、ドアの開閉を観察するのにも適しています。
周りにいる大人の唯一最大の関心事は「当たったかどうか」ですので、子どもがドアの開閉をして遊んでいても、誰にも気に留めませんし、咎められることもありません。
競馬になじみのなかった妻やぼくにとっても、新鮮かつ刺激的な場所でした。
競馬をやらなくても、人気タレントが来て競馬場でトークショーやイベントをやっていることは知っていましたし、ギャラが高そうな芸能人を使ったCMも見たこともあります。
JRAのイメージ戦略なのでしょうが、シャレオツな若者のグループやカップル、シャレオツな家族連れがいっぱい集まっているという想像もしておりました。
JRAのホームページには、競馬が好きな若い女性に「umajo(ウマジョ)」という名称を冠しておりました。
しかし! やはり、客層の中心は「壊れかけたオッサン」でした。残念ながら、umajoを見つけることはできませんでした。
アラフィフのぼくは間違いなく「オッサン」カテゴリーに入るわけですが、競馬場に集まる濃い方々と肩を並べて「オッサン」を自称するのがはばかられる感じもあります。
いろんなオッサンを目にしました。
「壊れかけのレディオ」というタイトルの名曲が昔ありましたが、まさに「壊れかけのオッサン」の見本市。
いや、「壊れてからだいぶ経っているけど修理されていないオッサン」の見本市なのかもしれません。
昼からワンカップをバチーンとキメたのでしょう、舌ったらずな独り言をずっとブツブツ繰り返しながら上機嫌なオッサンが複数確認されました。
また、売れっ子演歌歌手みたいな風体の「金持ってそうなオッサン」は決まって、妙に色っぽい中年女性を連れています。
ビシッと背広を着ているオッサンの集団もお見かけしたのですが、決して今風のビジネスマンという感じではなく、漫画「ナニワ金融道」に出てきそうな雰囲気を醸し出しています。
女性も負けていません。
競馬新聞を敷いたベンチでいびきかいて寝ている中年女性がいて、その周りで親族と思われる子どもがピョンピョン飛び跳ねて遊んでいる光景も目の当たりにしました。
そして、みんな競馬新聞を手にしています。
ネットメディアに押されて新聞産業が斜陽化していると言われて久しいですが、競馬場においてはレトロな紙媒体である新聞が健在でした。
自宅の近くにこんな魅力的な「異世界」があることを初めて知りました。
次はバスで来て、昼にビール飲んで1日過ごすのもいいな。
入場料がたったの100円ですからね。
なぜか無料の日もあるようです。ぜひ、日帰り温泉も併設してほしいものです。
そんな話を競馬好きな会社の先輩にしてみました。
施設がキレイだし、スタッフはたくさんいるし、子どもがタダで遊べるし、競馬場って最高ですね。
それね、オレたち競馬好きが馬に貢いでいる金で運営されているんだよ
気前のいい競馬好きの皆さんが貢いだ金で、息子はタダで遊ばせてもらっているわけですね。ありがとうございます!
われわれ家族は、新潟競馬場の1日も早い再開を願っております。「umajo(ウマジョ)」にもお目にかかってみたいですし。
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