「みぞれ混じりの冷たい雨が降る休日」問題をどうクリアしていくか

 われわれ家族が暮らす地域でもとうとう雪が降りました。

 新潟県内では積雪量が少ない地域に住んでいるのですが、それでも冬は寒いですし、スタッドレスタイヤで慎重に運転しなきゃいけないですし、灯油を切らさないように気をつけなきゃいけないですし、通勤の電車が止まるリスクも常に念頭に置かなきゃいけません。そんな、いつもの冬がやってきました。

 そして冬は、休日に息子を遊ばせることができる場所が限定されてしまうので、なかなか大変なんです。

 いちばん楽なのは夏です。季節に関係なくいつも通っている公園に加え、近所の公営プール、海や川での水遊びという強力な選択肢ができます。気温が高ければ、雨が降ったって海水パンツ+Tシャツ姿で遊ばせることができますしね。

 庭の畑の水やりが大好きですし、畑からミニトマトをもぎ取って食べ放題ですし。息子にとっても、夏が一番楽しい季節だと思われます。日中の気温が一桁台になった今でも、1日に数回は必ず「市民プールに行きたい!」と言います。まあこれは、ただの口癖なのでしょうが。

 春や秋もいいですね。ワラビ採りを兼ねて里山を散策するのもいいですし、公園で一緒に遊ぶにしても、暑すぎず毛虫やヘビもいなくて、ちょうどいい気温です。秋は紅葉を愛でながら里山を…といきたいところでしたが、ことしはクマがやたらと出没していましたので、そういうお出掛けは控えました。

 で、冬はというと、逆に外気が0℃近くまで冷え込んでしまえば、降るとしてもサラサラした雪なので「寒い」けど「冷たく」はなくて、庭や公園で遊ぶのにはいいのです。

 厄介なのは、気温が一桁台の時に降る、みぞれ混じりの「冷たい雨」なんです。

 今でこそだいぶマシになりましたが、就学前の息子は非常に飽きっぽくて、同じ場所に5分と居られませんでした。そんな天候の時に室内でやれることとして、「レゴブロック」「プラレール」「絵本」「iPad」などを与えていました。でも、手に取るのはそれぞれ5分ぐらい。すぐ飽きてしまい、外に出掛けたがります。

 就学前はテレビにもほとんど関心を示しませんでした。「テレビやビデオばかり観せてはダメ」と書いてある育児本もあるようですが、わが家では息子が観たいのであれば、いくらでも観せるつもりでした。
 「長時間集中できるもの」が何もない状態でしたので、それがテレビであっても、ぼくも妻も大喜びしていたはずです。

 その頃、みぞれ混じりの「冷たい雨」が降る休日に、「外に行きたい」と訴える息子を連れて行った先は、こんなところでした(カッコ内は息子の年齢です)。

・隣県の「道の駅」(4歳)
・温水プール付きの温泉施設(5歳)
・温泉施設(6歳)
  +
・イオンモール(4歳〜)

海岸で石を投げる息子
冬の海岸で石を投げて遊ぶ息子。冬のはじめだと、まだ夏の記憶が残っているようで、海に行きたがりました=2017年12月、新潟県胎内市

 隣県の「道の駅」といっても、道の駅に用事があるわけでなく、ドライブの目的地といった感じです。
 3、4歳の頃は車窓から外を眺めるのが好きで、車に乗っていれば何時間でもおとなしくしていました。「道の駅」に着けば、食堂で昼メシを食って、「じゃがりこ」を買って家に戻ります。

 ドライブ中の息子は基本的に外を眺めてご機嫌ですので、あまり構わないようにしていました。車中ではスマホに入れている落語をずっとかけていて、一冬でかなり落語に詳しくなりました。
 ただ、ガソリン代がばかにならない上に、悪天候時のロングドライブですのでかなり神経をすり減らし、せっかくの休日なのにぼくの心身が休まりませんでした。

 温水プール付きの温泉施設は、翌年の冬のはじめ、「またロングドライブするのはしんどいなぁ」と思って試しに連れて行ったら大当たりで、ワンシーズンずっと通いました。

 温水プールで遊んた後に温泉に浸かっても、飽きっぽいので正味1時間前後しか滞在できないのですが、それでも5歳の頃に息子が一時間も滞在できる場所ってそこしかなかったですから、非常にありがたかったです。常連のおばあちゃんとも仲良くなって、いつも優しく声を掛けてくださいました。

 一時間とはいえ、プールで思いっきり体を動かすことができるので、これまでのロングドライブと違って健康的ですし、夜の寝つきも良かったです。ただ、料金が親子2人で1回1500円ぐらいで、毎週土日にほぼ欠かさず通っていましたので、結構な出費になりました。

雪が積もる公園でストライダーをする息子
雪が積もる近所の公園でストライダーに乗る息子。通学用の薄っぺらい雨合羽を着て、雨でもみぞれでも猛吹雪でも走り回っていました=2017年12月、新潟県新発田市

 翌年(6歳)の冬は、プールなしの温泉施設に連れて行くようになりました。ストライダーに夢中になり、冷たい雨が降ろうとも、雨合羽を着てストライダーで走り回るので、温水プールに行かなくても十分な運動量が確保できるようになったからです。
 さらに、温泉のみであれば料金が計1000円を切りますし、療育手帳を提示すればさらに割引になる施設もあって、経済的にも助かりました。

 こうやって振り返ってみると、息子の成長に伴ってだんだんラクになってきたのが分かります。

 そして、「みぞれ混じりの冷たい雨が降る休日」問題をクリアする上で、いつも助けられたのがイオンモールです。

 イオンモールって「空調が完備された快適な商店街」ですので、天気が悪い日の散歩に使えるなぁとだいぶ前から思っておりました。広いモール内を歩き回ることで、息子の「体を動かしたい欲求」がかなり発散できるので、ホントにお世話になりました。

 運動のためにショッピングモールに行くという発想は長らく、ぼくが独自に考え出したものだと思っていました。
 でも、この文章を書くためにさっき検索したら、全国各地のイオンモールでウォーキングのイベントが開催されているんですね。無知でした。しかも、Wikipediaに「モール・ウォーキング」なんて項もあるとは…。

モール・ウォーキング(Mall walking)とは、健康のために路上ではなくショッピングモール内を個人または集団で歩くことである。…(略)。
モール・ウォーキングは運動を主目的としており、モール内で買い物や食事をすることはあまりないため、1990年代のショッピングモールではあまり歓迎されなかった[3]。しかし後にこの運動法は、その利点からさまざまな期待がかかるようになり、地域コミュニティだけでなくショッピングモール自体もこのモール・ウォーキングを推奨するようになった[3][2]。

Wikipedia

 なるほど。公立の児童センターを使うことが多いご家庭ですと、公立施設って年末年始休みが結構長いので、その時期はイオンモールの存在がより貴重なものに感じられるはずです。で、「ありがたいなぁ」「助かるなぁ」と思ったら、感謝の意味を込めて、いつもより多めに買い物をすればいいのです。

 さて、今冬は「みぞれ混じりの冷たい雨が降る休日」問題をどうクリアしていこうか。
 親としては、「一緒にコタツでゴロゴロ」をメインに、体を動かしたくなったらイオンモールに行くーのがラクでいいのですが、そんなラクをさせてもらえるのかどうかは、息子の出方次第であります。

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