「ママかわいい!」
ちょっと前から急に息子がこんなことを言い始めてビビりました。しかし事情を聞いてみると、妻が教えたそうです。それにしてもなぜ。
ママ友がやっているのを真似してみたとのことでした。そのママ友さんは、日々お子さん(男の子)の子育てで苦労をされていて、「そんなふうにでも言ってもらわなきゃ、やってられないよ」ということだそうです。
なるほど、素晴らしいアイデアだと思います。大声で外で叫ばれると恥ずかしいのではないかと心配したのですが、息子は発語がまだ曖昧ですので、ごまかせる可能性もあります。
というわけで、妻は息子に「ママかわいい」と言ってもらっては喜んでいます。
そして息子は、どんな場面でこの言葉を使えば有効的かということを、この短い期間で学んだようです。
★(義父)さんの家に行きたい!
えーっ、どうしようかなぁー
●●(自分の名前)、勉強がんばった!
●●、いい子だった!
3たす4は7、3たす5は8…
ママかわいい!(と言いながら頰にキスする)
じゃあ、行こうか
息子は、ママに何かをしてほしい際、いろんなことを言ってアピールします。「ママかわいい」は、そのうちの一つ(しかも効果が高い言葉)として使っているようです。
「かわいい」の意味が分かっているのかどうかは怪しいところです。とはいえ、このやり取りは「交渉」「駆け引き」の一種ともいえ、自閉症児にとっては高度なコミュニケーションに当たるのかもしれません。
しかし、女性の機嫌を取るのに「かわいい」という言葉をむやみに使うのは、誠実さという点で問題もありそうです。
こんなやり取りも最近よく聞きます。
ママ〜!
…。(他の人との会話やスマホに没頭していて反応なし)
ママ〜! ママ〜! ママ〜!
…。(状況変わらず)
ママ〜!なあに? ママ〜!なあに? ママ〜!なあに?
…なあに?
少し感心しました。「なあに?」(相手からほしい反応)を付け加えることで、ただ呼び掛けるより注目されやすいことに気付いたのでしょう。
会話によるコミュニケーションが問題なくできる健常児には必要のないスキルかもしれませんが、コミュニケーションの方法が限定されている彼なりの工夫なのかもしれません。
妻によると、息子は用がないのに「ママ〜!」と連呼することも多いことから、すべての呼び掛けに反応しないようにしているのだそうです。
で、後ろに「なあに?」が付いていれば、本当に用事がある時だから反応すると。
妻がすべての呼び掛けにすぐ反応していたら、このコミュニケーション法は生まれなかったでしょう。
療育する側(親など)が「少し気が利かないように振る舞う」方が、「子どもの考える力」を養うのにはいいのかもれません。
彼独特の言い回しには、こんなものもあります。
とと車に乗ってご飯を食べに行きたい!
ととお風呂に入りたい!
いずれも「ぼくは…したい」ではなく、「ぼくは、ととと一緒に…したい」という意味で使っています。
親を相手に言っている分には意味が通じるのでいいのですが、クラスメートにこの言い回しで話し掛けるとかなり変ですので、何らかの言い換えを考えなきゃいけません。
ママ以外の女性に「かわいい!」と言い始める可能性もゼロではないでしょうし。
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