人生最大の難関「美容院で髪を切る」をついにクリア!
サイトのメンテナンスをしたついでに、もう1本書いてみます。
ことしの春、息子は初めて美容院で髪を切ることができました。2歳から家庭療育を始めて9年余、偏食はほぼなくなりトイトレも完全終了しましたが、「髪を切る」はずっと進展がありませんでした。
偏食ややトイレに比べ、それほど切羽詰まっていなかったため、「是が非でも」という気持ちが薄かったということもあります。
息子の散髪については、過去にも書いたことがあります。
ドライヤーで乾かすのは平気なのですが、くしを使うのを嫌がり、妻が髪を切っていると「痛い」と言って泣くこともあったので、「この子の髪には神経が通っているのでは」と疑うことすらありました。
だいぶ昔に読んだネット記事で、「髪の毛すべてに血管が通っているインド人女性がいる」というのがありました。髪を切ると血が流れるため、切ることはもちろん、くしを通したり洗ったりするだけで激痛が走るので、何もメンテナンスできず伸びっぱなしにしているーという内容でした。
いま検索しても該当の記事はみつかりませんで、フェイクだったのかもしれません。でも、「インドや中国の山奥で…」と言われると、「その辺であればあるのかも」と信じてしまいそうにもなります。
今春に息子を美容院に連れて行ったのは、用意周到に準備して満を持して…という感じではなく、ぼくが髪を切りに行くタイミングで「ダメ元でやってみるか」と思い立ったのがきっかけです。
妻は半ばあきらめていましたし、ぼくも「美容院で髪を切れなくても生活に支障がないし優先順位も低い」という認識でした。
ぼくが行っている美容院の経営者(美容師さん)は妻の知り合いで、息子の障害のことも知っています。事情を説明してご快諾いただきました。
初めて行った時は、手を握り声をかけて不安を和らげながらで、後ろ髪を切るのとシャンプーは断念しましたが、思った以上にスムーズでした。
ただ、息子は怖かったようで、美容院から出ると汗びっしょり。終わった後は、強化子(ご褒美)として、すぐにサイクリングに出かけました。
2回目以降も「積極的に行く」というふうでは全くありませんが、嫌がらずに椅子に座り、後ろ髪とシャンプーは相変わらずですが、だんだん慣れてきて、汗をかかなくなりました。
息子は妻とぼくに似て髪の量が多く、美容院で梳いてもらわないとすぐにヘルメットみたいな髪型になってしまいます。家でシャンプーするのも楽ですし、いいことづくめです。
…と、ここまでで終わると「療育を頑張って、できることが増えた子どもの美談」テイストなのですが、続きがあります。
ぼくはこの美容院に行くたびに、パーマをかけるよう勧められていました。
先日一人で美容院に行った際、「息子の件でいつもお世話になっているし…」ということで、あいまいな返事をしたために、パーマをかけることになってしまったのです。
パーマをかけた2日後に、ぼくが通信で受講していた予備校の社労士講座の合格者イベントが東京で行われ、まあ目立つのなんの。職場でもいろんな人に「どうしたの?」と声をかけられます。
以下は上司とのやり取りです。
すごいねその髪型。東南アジアのいんちきブローカーって感じ。原色の派手なテロンテロンのシャツが似合いそうだわ
…ってか、先輩は髪が少ないからうらやましいんでしょ? ほんとはパーマしたいんでしょ? ぼくの髪を半分あげましょうか、鳥の巣みたいにチリチリですがw
いらねー! 何回見ても慣れないわ、そのパーマ
先輩は職場でぼくを見かけたときにそんなテキトーなことを言ってりゃいいんでしょうけど、ぼくなんか四六時中このパーマと一緒なんですからね。分かりますか、この気持ち
それはすまんかった!
半分以上ネタですし、実はちょっと気に入ってもいるのですが、ぼくがパーマをかけたのは、「生まれて初めて息子の髪を切ってくれた恩人だし、これぐらいは…」という思いも強かったのです。
息子は、この美容院が存続し続ける限り、ずっと通い続けることでしょう。ぼくが次回以降もパーマをかけるかどうかは未定ですが…。
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