衣服は手に入れたけど、それだけでは寒さをしのげない~なぜ社労士になろうと思ったのか⑤
われわれ家族が住んでいる市の祭りは毎年、8月末に3日間の日程で行われます。で、小規模ですが町内会の神輿渡御が祭り初日に合わせる形で催されます。そうなのです、社労士試験ともろにバッティングするんです。
初めて受験した一昨年(2022年)、祭り担当の町内会役員の方に電話しました。
神輿の日の前後にちょうど県外で用事がありまして、地元を離れますので、ことしは参加できません。申し訳ないです m(__)m
この年は不合格で、「早く受からないと、いつまでたっても町内会の神輿に出られないし、地元の祭りも楽しめない」と焦りました。いずれ地元で仕事をする上で町内のお付き合いは大事なのに、早く受からないと疎遠になってしまう、と。
この時に電話で連絡した祭り担当の町内会役員の方、こちらに定住する前から仕事関係でお世話になったことがある、温厚な年上の男性なのですが、ある日息子と自転車に乗ってご自宅の前を通ったら、「◯◯社会保険労務士事務所」と大きな看板が‥
えっ、そうだったの。言われてみれば、社労士業務と親和性が高そうなお仕事をされているとは知っていましたが、いつの間にか資格取って独立されたんですね😅
だとすると、ぼくが「8月末に県外で」と言ったことから「こいつも社労士取ろうとしているのか」と気付かれていたかもしれません、弊県には受験会場がないですし。
昨年の祭りでは、祭り不参加を妻経由で町内会に伝えたため、その後やりとりする機会がなかったのですが、登録日が決まったら、真っ先にご挨拶にうかがわなければ。
合格発表は10月上旬でした。合格はしましたが、総務、人事、労務、経理といった社労士業務と関係がありそうなものは全くの無縁で、今後どうやって資格を生かしていくのか、イメージできないでいました。
旧Twitterの仲間たちは、早くも転職の準備をしたり、中小企業診断士や行政書士、年金アドバイザーなどなど、「次の試験」に向けて動いておられたりと、華々しいものでした。そんな方々から刺激を受けて、ぼくも簿記3級の勉強を始めてはみたものの、続かないし、集中できないし‥。
考えてみれば、昨年(2023年)8月末の試験までの1年間は、電車での通勤や車や徒歩での移動、会社での休憩といった「スキマ時間」を、講義を聞いたりテキストを読んだり問題を解いたりと、すべて社労士試験の勉強に費やしていました。この間、小説を1冊も読まなかったし、Amazon musicも使わなかった。
社労士試験はやたら範囲が広い上に、覚えなきゃいけない細々としたことがいっぱいあります。あんなの(愛憎を込めてあえてこう表現します)をすべて365日、24時間ずっと脳に格納できっこないため、試験日に「記憶量のピーク」を持っていくように調整しました、というか、ぼくはそういうイメージで勉強してきました。
「昔の大相撲の新弟子検査」「袋に野菜詰め放題の特売」みたいな感じに捉えていました。検査直前に水を3リットルがぶ飲みして後で吐こうとも、頭頂部にシリコンを注入して後で取るのに苦労しようとも、数秒後に袋の表面張力が限界を超えてニンジンが飛び散って顔面を直撃しようとも、「その瞬間」さえクリアできればいいのだ、と。
そんな生活を1年間も続けた反動から、試験が終わって「どうやら合格したらしい」と薄々分かってからは、ボーッとして何も手につかなくなりました。簿記3級の勉強は一時休止(断念ではないです)したまま現在に至っています。
だからといって、社労士試験の勉強一色だった昨年8月末までの1年間が「楽しみがゼロの不幸な暗黒時代」だったかというと決してそうではなくて、一貫してよく分からないハイテンションのまま、旧Twitterでアホなツイートを垂れ流しながら、へらへらと笑いながら家族と過ごし、仕事をしていました。だけど、「もう一度同じことができるか」と問われると、たぶんムリ…。
少し話題を変えますが、旧Twitterで知り合った資格アカウントの方々の話を総合すると、社労士事務所に勤務していたり、総務や人事といった関連性が高そうな業務を普段されているからといって、「試験で有利に働く」という実感は薄いそうです。実務を全く知らないで純粋に「試験科目」として向き合った方が、くせがついていない分、頭に入りやすい、という見解も目にしました。
これはなんとなく「そうかも」と、ぼくも思いました。学ぶ情報と実務が全く結びつかないからこそ、あまり理解できなくでも「まあそんなもんよ。いずれ理解できるさ」と、思い悩むこともなく学習を前に進めることができました。
「法律に関する試験なので、法学部卒の方が有利なのか」とも思いましたが、資格アカウントの方々には案外理系出身の方が目立ち、勇気づけられました。
ただ、これらは、あくまで「試験を突破するまでの話」です。
特に、実務のイメージがまるでなくて、試験突破に特化した形で勉強をしてきたぼくのようなタイプの人間は、受かってから「どうすりゃいいんだ?」と立ちすくむわけです。「迷い道くねくね」なわけです。
全裸中年男性であることに気付いたアラフィフのオッサンは、結構頑張って社労士資格という衣服を手に入れることができました。
でも、この新品の上着だけでは、寒さはしのげないのです。パンツとか靴下とか手袋とかヒートテックとか、いろんなものを揃える必要があるのです。ミートテックはふんだんに持っているのですが、それだけではダメなのです。
「迷い道くねくね」状態はしばらく続きそうですが、合格して一番良かったのは「魅力的な方々との新たなつながりがたくさんできた」ことです。今度も増えていくでしょう。
まるで生まれ変わったような、「第二の人生」が始まったかのようです。現世で激しくこじらせなくてもトラックにはねられて死亡しなくても転生体験ができるわけですから、かなりお得といえます。
擬似転生してスライムから再出発することになった全裸中年男性(上着付き)の旅は、まだ始まったばかりなのです。なんと意識が高い。オレは死ぬまで働き、死ぬまで生きる。
とりあえず、町内会の中に社労士部会を新設すべく、先輩に相談してみます。ことしは神輿を担ぎます(このシリーズおわり)。
ずっとほったらかしにしていたこのブログをリメイクし、社労士や資格学習についても書くことにしました。その最初ということで、社労士試験について6回に分けて載せました。次回以降は、これまで通りの療育や子育て、身辺雑記などを、ゆるいペースで書いていこうと思います。今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m
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