コロナの影響で「義父の家」人気が急上昇
妻は自分の父親のことを「お父さん」と呼びません。
妻とは十数年も一緒にいますが、本人の前でも、ぼくと会話する際でも「父」という単語を使ったことはなく、いつも「★さん」と名前で呼んでいます。
不自然なような気もしますが、親子関係って第三者にはうかがい知れないことが多いですので、ぼくとしては「そういうものか」と気に留めることもありませんでした。
そういえば、妻はこんなこともよく言っていました。
嘘つきは★(父の名前)の始まり
これは、10年ほど前に若くして亡くなられたお義母さんが口癖にしていた格言?とのことで、妻のオリジナルではないそうです。事情はどうあれ、強烈ではあります。
さらに、息子がいたずらばかりして言うことを聞かない時には、こんなふうに言い聞かせていました。
そんな悪い子は、★さんの家に連れて行くよ。それでもいいの?
義父さんは息子のことを本当に可愛がってくれ、妻やぼくの代わりに息子を小学校に迎えに行ってくれますし、半日ぐらい遊びに連れて行ってもくれます。とても孫思いなのです。
それなのに妻は、息子を療育するに当たって、義父さんのことを「鬼」か「なまはげ」のように扱いますし、息子も義父さんにあまり心を許している感じがありません。
あまりにひどい扱いです。かわいそうです。
ところが、1カ月半ぐらい前から、妻の言い方が変わりました。
そんな悪い子は、★さんの家に連れて行かないよ。それでもいいの?
これまでの真逆なのですが、息子はこれまで以上に、妻の言うことを素直に聞くようになりました。
そして、その変化には、新型コロナウイルスの感染拡大が大きく寄与しているのです。
このブログに何度も書いてきましたが、重度自閉症児である息子は「ドアの開閉」が大好きです。
昨年夏ごろからことしの冬にかけては、近所の公共施設のドアを偏愛するようになり、ほぼ毎日、通うようになりました。
しかし2月末、われわれ家族が暮らす新潟県で小中学校の一斉休校が決まり、感染者の第1例目が発表されたのを機に、市内の公共施設のほぼすべてが閉鎖されてしまったのです。
遊ぶ場所を突然奪われた息子は悲しみ、妻とぼくは途方に暮れました。
そんな中、妻が義父の家に連れて行った際にたまたまドアで遊ばせてみたところ、大当たりだったのです。
それ以来、息子は毎日しつこいぐらいに「★さんの家に行きたい!」と要求し続けるようになりました。
義父の家は古いコンクリート造りのビルをリフォームしたもので、非常に頑丈です。
ドアはほぼすべてがスチール製で、息子がどんなに力いっぱい開閉しようとも壊れる心配はなさそうです。
壁も分厚く、ボールをぶつけようとも体当たりしようとも、びくともしません。
自宅はもちろん、お気に入りだった公共施設でもできなかったダイナミックなドア遊び・ボール遊びができるようになったのです。
妻は天候や人目を気にせずに息子を遊ばせることができますし、義父からすれば、孫が毎日のように来るようになり、三者すべてがwin-winというわけです。
さらに、義父の家にはウイスキーのコレクションがあって、妻はウイスキーの水割りをチビチビと飲みながら息子の遊び相手をしています。
晴れた日は「街歩き+ビール」(前回のブログ記事をご参照ください)、天気が悪い日は「義父の家+ウイスキー」の組み合わせで、二度目のコロナ休みを何とか乗り切りたいと考えております。がんばるぞー!
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