コガネムシの「ハッテン場」
サバクトビバッタ(Desert Locust)の被害が日本の新聞やテレビでも取り上げられるようになってきました。
昨年末ぐらいから「アフリカでバッタが大量発生している」という外国発の短信を見かけ、個人的に興味はあったのですが、その後の「コロナ危機」ですっかり忘れていました。
5月ごろから目にするようになった記事によれば、サバクトビバッタの大群が「北アフリカからアラビア半島を越えてインド・パキスタンに達し、食糧危機が加速する懸念が生じている」とのことです。
そして、このサバクトビバッタの大群襲来のような恐ろしくも不気味な出来事が先週ぐらいから、わが家の庭で確認されるようになりました。
コガネムシの大量発生です。
大量発生といっても終日ウロウロしているわけではなく、日没直前の午後7時すぎから8時前までの40〜50分に集中的に集まってきます。
日没してしばらく経つと、庭からいなくなります(たぶん)。
その時間になると、どこからともなく集まってきて、地上10センチぐらいのところをグルグル飛び回ります。最低でも100匹はいると思われます。
暗くなって飛んでる姿が見えにくくなっても、庭じゅうから羽音が聞こえてきます。
そして、辺りが完全に暗くなると羽音も消えるのです。
野菜や花を栽培をする人間はたいてい、コガネムシを「害虫」とみなします。
自分に都合がいい虫を「益虫」といって持てはやし、都合が悪い虫を「害虫」といって忌み嫌うのは、いかにも自分勝手です。
でも、コガネムシって、放っておくと葉っぱを食べまくって苗を丸裸にしますし、幼虫に至ってはさらに凶悪で、植物の根っこを食べ、枯らしてしまうこともあるんですよ。
「箱入り娘」に近づいてきて言い寄る男を「悪い虫」と呼ぶのと同じようなものです。
大事に育ててきた可愛い植物を文字通り「食い物」にする恐れがあるわけですから、これは警戒が必要です。
というわけで、仕事が休みの日の夕方はいつも、コガネムシとの闘いを繰り広げております。
ただ、庭には野菜やハーブを育てているスペースもありますので、キンチョールなどの殺虫剤は使えません。
そこで大活躍しているのが、先日購入した「蚊取り器」です。
蚊取り器を購入した経緯については以前、こちらに書きました。
LEDの光に寄ってきたコガネムシをファンで吸い込むーという仕組みです。
ただ、蚊と比べてコガネムシはガサツな感じもありますので、こんな繊細な機器でなくても、懐中電灯とコードレス掃除機で代用できそうです。
コガネムシでお悩みの方は、やってみる価値はあると思います。
この蚊取り器を初めて庭に設置した時には、1時間ほどで約60匹のコガネムシが採取できました。
写真も撮りましたが、絵柄が汚くてニーズもなさそうですので掲載はしません。
この数日後、2回目の設置時には約30匹ほどでした。
ブンブン飛び回って相変わらず不気味ではありますが、ざっと見た感じでは以前より数が減っているような気もします。
気休めかもしれませんが、地道に続けていくしかありません。
ちなみに、わが家の野菜とハーブがコガネムシの成虫に食い荒らされている様子はありません。
葉っぱが食べられていることはありますが、アオムシかヨトウムシ、ナメクジによるものです。それぞれに対策を講じていますので、被害は最小限で済んでいます。
庭の野菜やハーブには興味がなさそうです。では、日没前後にだけコガネムシが大量に集まってくるのはなぜか?
「コガネムシ 夕方に大量発生 理由」という検索ワードでググってみたところ、どうも集まってくるのは交尾と産卵が目的のようです。
コガネムシはどうも、わが家の庭をラブホテルか「ハッテン場」のように思っているフシがあるみたいです。
「ハッテン場」という専門用語に興味を持たれた方は、ググってみるといいかもしれません。
冒頭に挙げたサバクトビバッタの被害の現状について、講談社の「マネー経済」に掲載されていた記事から一部を引用します。
世界気象機関の資料によると、サバクトビバッタの到達限界は、「Limit of invasion area」に書かれている線になる。なので、中国大陸や日本列島には到達することはなさそうだ。
マネー経済「コロナの裏で、中国に「ヤバすぎる数」のバッタの大群が襲ってきた…! コロナと同時進行する次なる危機」より
「Limit of invasion area」は、この記事内で引用されているWMO(世界気象機関)作成の地図に示されています。
この知見が正しいことを祈らずにはいられませんし、既に被害を被っている地域も、早く収まってほしいものです。
わが家の庭を勝手に目的外使用しているコガネムシですが、日中に姿を見ることはほとんどありません。
大部分の成虫は、わが家の庭以外を「日常生活の場」にしているのでしょう。
そういう見方をすると、彼ら彼女らは特段マナーが悪いわけではないですし、今のところ実害もほとんど与えておりません。
ただ、大量にブンブン飛ばれると気持ち悪いのは間違いないです。産卵されると来春以降に幼虫を駆除するのが手間です。
10匹集まった時点で「満室」ランプを点灯させて、それ以上はお断り、という措置を講じたいところです。
庭の芝生を剥がし始めた1月上旬以降、土の中から発見したコガネムシの幼虫は、おそらく300匹以上に達するはずです。芝の根っこを1回掘り起こすたびに4〜5匹出てくるといった具合で、当時はすごく驚きましたが、庭で毎年こんな具合に大量交尾&産卵しているのであれば、幼虫がこのぐらいいてもおかしくないと思い直しました。
妻と2人で「地面スレスレを飛んでいるコガネムシを踏み付ける」という駆除方法を試みたことがあります。案外簡単で、その時は「だいぶやっつけたね〜」と喜び合ったのですが、翌朝に庭を見てみると残骸が全くありません。ネットで調べて分かったのですが、コガネムシは「死んだふり」が得意なのだそうです。
息子はというと、庭を訪れるスズメやムクドリに少し関心を示しますが、虫全般には興味や執着が全くないようで、コガネムシが足元にブンブン飛んでいても気にする様子はありません。「害虫」駆除ということではなく、昆虫採集という感じで虫に親しむことを教えるのもいいかもしれません。
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