ストップ植物虐待!!

われわれ家族が暮らす新潟県は昨日、梅雨入りしました。
 これを見越して1週間前の快晴の日にジャガイモの収穫を終え、タネから育苗していたオクラとモロヘイヤ、空芯菜を収穫後の畝に植えつけました。段取りは完璧です。

 そんな作業をしている中、洗濯物を干す温室で、長らく放置されていた鉢植えを見つけました。
 「見つけた」といっても、常に視界には入っていたのですが、脳内でその鉢植えの存在が認知されていなかったんです。

 こんなやつです。

 ①はメドゥーサ・カーネーション、②はメドゥーサ・ローダンセマム(アフリカンアイズ)です。

 これでも、ぼくが「救出」して玄関前で手入れを始めて1週間ぐらい経った際の写真ですので、発見時よりはだいぶマシな姿になってきました。

 いずれも茎が変な形に徒長した上に枯れや黒ずみ、木質化が始まっていて、失敗したソバージュ落ち武者フランシスコ・ザビエルメドゥーサみたいになっています。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの1595-1596年頃の絵画『メドゥーサ』の細部。ウフィツィ美術館所蔵(Wikipedia「メドゥーサ」より引用)

 ちなみに、メドゥーサはこういうものです(Wikipediaより引用)。そっくりですね。

 これまで鉢植えを管理していた妻は、「冬場には土に栄養剤を刺したりして、面倒を見ていた。栄養剤がなければ枯れていたはずだ」と主張しています。

 それにしても、どうしてこんな姿になってしまったのか。
 いろいろと要因は思い当たりますが、一言でいうと「無関心だった」ということに尽きると思います。

 息子が生まれる前ですのでもう10年ぐらい前ですが、そのころはアパートや社宅で暮らしていて、妻は毎年、植木鉢でアサガオを育てていました。
 そして、うまく育ったことがほとんどありませんでした。

 ある年には、アサガオの背丈が10センチ未満で花が咲いてしまい、「国連の専門機関から『植物虐待の疑いがあるので調査に入ります』と言われそうだね」と言い合ったこともありました。写真が見当たらないのが悔やまれます。

 その翌年、妻が妊娠しました。そして妻は当時、「アサガオもちゃんと育てられないわたしが、子どもを育てられるのだろうか」と本気で心配していました。

 しかし、そんな妻も、出産後に通信講座でハーブ栽培を学び、ぼくに付き合わされる形で市民農園で野菜を育て、息子が自閉症の診断を受けた後には「つみきの会」でABA(応用行動分析)を使った療育を学び、少しずつ自信をつけていきました。

 そんな歩みを進めてきた中、「メドゥーサ・カーネーション」「メドゥーサ・ローダンセマム(アフリカンアイズ)」は久々の問題作だったのです。

 園芸を趣味にする方はお分かりになると思いますが、続けていくうち、植物に感情移入するようになります。

 「植物の気持ちを忖度する」という感じでしょうか。植物に話し掛けるというレベルにはまだ達していませんが、いずれそうなるのでしょうか…。

 例えば、散歩やドライブの時に立派な畑を見つけると、「君たちはいい人に育てられて幸せだね。それに比べてうちの苗は虫だらけで、申し訳ない」という気持ちになります。

 この時期、売れ残って大きくなった野菜苗をホームセンターで目にすることが多いのですが、これまた切ない気持ちになります。

…(せっかく花を咲かせて実をつけたのに、誰からも選ばれず、注目されないなんて、こんな悲しいことが繰り返されていいのだろうか。いや、あってはいけない)

…(でも、うちの庭に君を植えるスペースはないんだ。申し訳ない。優しい店員さんにずっと可愛がってもらえるといいね。ぼくには祈ることしかできない)

 これは、ペットショップで売れ残っている大きめの子犬を見た時と同じ感情です。
 大きくなりすぎると売れなくなる(選ばれなくなる)。考え始めるときりがないのですが、悲しくって仕方がありません。

 野菜や草花を育てるうち、過干渉というか手を掛け過ぎるとマイナスになることがあることも学びました。

 ことしは初めて、野菜やハーブをタネから育てることに挑戦したのですが、可愛さ余って水をやり過ぎてしまったようです。

 ぼくが水やりする様子をみて面白がって、見ていないうちに息子がさらに手加減なしに水やりをするものですから、どの苗もひょろひょろになってしまいました。

 すぐ枯れたり腐ったり虫にやられたり(温室の中なのに!)する苗も多かったです。
 雑草並みの繁殖力があるはずのクリーピングタイムですら半分ぐらいが瀕死の状態でした。

メドゥーサ状に育ったカーネーション
写真=メドゥーサ・カーネーションが一番マシに見える角度から撮影し直してみました。前衛的な生け花に見えなくもなくもないですね=2020年6月、新潟県新発田市

 ですが、それらの苗たちも、地植えしたら元気になりました。
 乾燥しやすいし虫にも襲われやすいのに、たくましく育っています。

 温室の中で常に水をぶっ掛けられるよりは居心地がいいのでしょうね。申し訳ないことをしました。

 手を掛け過ぎず、見守り続けることも大事。この辺の考え方は、子育てにも通じるのかもしれません。

 きれいにまとまった!

 メドゥーサ・カーネーションは、花が咲き終わったら思い切って刈り込んでみようと思います。

 まっすぐに育ててみせます。

 夏野菜の植え付けをしていたら、タネから育てたトマトの苗2本が余ってしまいました。「ホームセンターの売れ残りの苗をみて悲しんでいるんだから、最後までちゃんと育ててあげたら」と妻に言われ、それもそうだと思い直して鉢植えにしてみました。これによって今夏のトマト(ミニ、中玉)は畑に4本、鉢に2本という態勢に。例年は2本植えで、それでも最盛期には家族3人で食べ切れなくなるのですが、どうしよう。トマトソースを大量に作ろうか。

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